山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
-
介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
HEISEI KAIGO LEADERS
先日、HEISEI KAIGO LEADERSを主宰する秋本可愛さんにお会いしました。
11月に開催される老施協の全国大会。二日目のシンポジウムでご一緒させていただくことになり、その打ち合わせでした。
HEISEI KAIGO LEADERSは、その名のとおり平成世代の介護を担うリーダー達。若い世代の介護職離れが言われて久しい中、若者達自らが日本の未来を憂いて、今……そして未来の介護を考え、行動するのは、とても頼もしいことです。
若い世代には、私たちもそうだったように危うさがあります。だからといって、40代や50代のベテラン達がその芽を摘むようなことをしては、この業界の発展は絶対にありません。
かつて、プロレスラーの長州力さんは、「いつまでも猪木、馬場の時代じゃない!俺たちの時代だ!」と叫びました。
あの時代、実際に猪木さんや馬場さんが身を引いてしまっていたら、プロレスの興業は成り立ちませんでした。しかし、若い世代が「俺たちの時代だ!」と叫んだことで、プロレス界は繁栄し、猪木、馬場という一代限りの業界で終わらず、今もなお「プロレス」というジャンルは不動のものになっています。
介護業界の若者達も、自分達の想い、理想を主張すればいい――私はこの業界に入ったのが29歳と決して早くはありませんでしたが、自分の考える介護、自分の考える高齢者の幸せを追求し、立ちはだかるものと闘ってきました。それこそ、「俺たちの時代だ!」と叫んできました。
若い内は、ああでもないこうでもないと考えてばかりいるよりも、失敗を恐れずチャレンジした方がいいと思います。私達の時代と決定的に違うのは、インターネットの普及により、情報が簡単に手に入る社会になったことです。自分がチャレンジしなくても、誰かの経験がクリックひとつで表示され、さも自分が経験した気になれたり、わざわざ失敗するかもしれないリスクを背負う必要がなくなりました。
しかし、インターネットはあくまでも他人の知識、他人の経験です。若い人達には、情報社会の波に飲み込まれることのないようにしてほしいと思います。やはり、自分の体験に勝るものはありません。
自分の目と耳を信じて判断し、自分の足を信じて行動し、自分の夢を信じて貫き通すこと。それが大事だと思います。
私は、HEISEI KAIGO LEADERSを応援します。