山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
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介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために
令和6年。新年のはじまりは、誰も想像しないことが起こりました。元日の能登半島地震により、多くの方が被災され、尊い命が失われました。心よりご冥福をお祈りします。
現在も余震が続き、家を失った方、家に帰ることができずにいる方が大勢いらっしゃいます。心よりお見舞い申し上げるとともに、支援を必要とする方たちに、少しでもお役に立てるよう、募金などの協力をさせていただきます。
4日が仕事始めという方が多かったでしょうか。入居施設は、年末年始もなく、365日稼働していますね。毎年思うことですが、多くの職員が、年末年始は帰省したい、家族と一緒に過ごしたい、友だちに会いたいなど、のんびり過ごしたいと思っていると思います。それでも、毎年必ずご利用者の生活を守ってくれるだけの職員が、勤務してくれます。本当にありがたいことです。
私の勤務している施設では、このお正月に1ユニットで胃腸炎が流行してしまいました。職員にも感染者が複数出てしまい、勤務調整が厳しくなりました。感染してしまった職員は、自分も苦しいでしょうに、「本当に申し訳ありません」と言います。少しでも症状が改善すると、「もう行けます!」と連絡してきます。職員たちは、それだけご利用者の生活を守るために必死なのです。そして、仲間(職員)が少ない人数で頑張っていることを申し訳なく思い、一日も早く復帰しなければと思うのです。それって、当たり前のことではないですよね。
ご利用者の生活を守るため、仲間に負担をかけないため、まさに、「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」の精神です。
世間では、介護人材の不足といわれて久しいです。介護のなり手がいないのは、労働条件が悪いことや魅力ある仕事だと思われていないことが原因かと思います。
23年間、この仕事に携わっている私は、現場を見ていて、そんなふうには思えません。
「なんて素敵な仕事だろう」「なんて魅力的な人たちだろう」。
いつもそう思って、彼らを見ています。
本当に素敵な仕事、素敵な人たちです。
介護、福祉を子どもたちの“あこがれの職業”に、若い人たちの“なりたい職業”に。
今年は、例年以上に、介護、福祉の仕事の魅力を発信していこうと思います。
みなさん、元気を出して、今年もがんばりましょう!
著書のご案内
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山口晃弘氏の著書が弊社より発行されています。
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。現場のリーダーからも「この本に出会えてよかった」「求められているリーダーについて深く理解できた」「実践にもすぐに役立つ」など、嬉しい感想を頂いています。ぜひ、ご一読ください!
介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8