メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。

あなたに伝えたいこと

 先日、公益社団法人全国老人福祉施設協議会が開催した「関東ブロック研究総会」に参加させていただきました。今週は、東京都社会福祉協議会主催の「アクティブ福祉in東京´23」に参加させていただいております。
 コロナ禍の3年間は、このような実践発表会もオンラインが主となり、久しぶりの集合型発表会となりました。どちらの大会も、多くの方が参加されていました。そのなかで、発表をする職員の方たちも、とてもうれしそうで、発表後の達成感にあふれた表情も、印象的でした。やはりいいものですね。

 コロナが流行する前は、私の勤務する施設(特養)でも、毎年3月に「実践報告会」という集合型発表会を開催していました。毎回300名前後の方が来場してくださる大イベントです。
 この発表会のために、職員でプロジェクトチームを立ち上げます。私は、このチームに対し、最初にミッションを与えていました。
 「300名の方が感動する発表をしてください」
 このミッションが、職員たちを苦労させるのです。自分たちが、一年かけてしてきたことをただ発表するだけでよいなら、さほど大変なことではないでしょう。ただ、感動する発表というと、そうはいきません。しかも、「実践報告会」という名称にこだわっているのは理由があります。
 「実践」したことしか「報告」してはいけない。私たちは、こんなことを思っています、こんな施設になりたいです、という志を伝える場ではなく、あくまでも、実践報告会。実践したことだけを報告する場なのです。それでは、300名の方が感動するような実践を、誰にしたのか? といえば、「ご利用者」です。こういうイベントが、毎年年度末に控えていることによって、職員たちは、一年かけて、300名の方が感動するような実践をご利用者にしていくことがミッションとなっていきます。こうして、よい実践をすることが習慣となり、よい介護が実践されていくのではないか、と私は考えていました。

 発表をするということは、自分たちのしていることを整理するとてもよい機会です。
 そこに、「伝えたいメッセージ」を入れることで、さらに「自分たちが目指すものは何か」という整理にもなります。
 何もしなくても時間は過ぎていきます。人生という限られた時間。ご利用者も、私たちも、充実したものであるように。発表は、きっとそんなことを考える機会になると思います。

著書のご案内

山口晃弘氏の著書が弊社より発行されています。
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。

現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。現場のリーダーからも「この本に出会えてよかった」「求められているリーダーについて深く理解できた」「実践にもすぐに役立つ」など、嬉しい感想を頂いています。ぜひ、ご一読ください!

介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8

【前の記事】

あの日の君へ

【次の記事】

理想と理解