山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
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介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
まだ終わりじゃない
ラグビーのワールドカップがはじまりましたね。私は、ラグビーのルールもよくわかっていませんし、8年前の同大会での日本の大躍進を観て大好きになった「にわかファン」です。
ラグビーのワールドカップは、4年に一度の開催です。いまから4年前、前回大会が開催されているなか、私はかつてない逆境に置かれていました。
苦しいことがいくつも重なり、何をしてもうまくいかない。必死に努力しても、負の連鎖のように、状況はより悪化していく。そこに、心無い人が、追い打ちをかけるように責め立て、傷口に塩をぬるようなことを言い、私は悔しくて、眠れない日々を過ごしました。
そのとき、ラグビーワールドカップで闘う選手たちの姿に勇気をもらい、また、大会のテーマソングの「ゴールはここじゃない、まだ終わりじゃない」という歌詞に、どれだけ励まされたかしれません。
みなさんも、何をしてもうまくいかない、負の連鎖のような経験をしたことがありませんか。もしかしたら、いまがその状況にある人もいるかもしれません。
私も経験がありますが、そんなとき希望を失ってしまい、「もうここが限界だ…」と、あきらめたい気持ちになります。でも、私はいままで限界というものを経験したことがありません。というより、結果的に「限界ではなかった」と思うことばかりなのです。
ここが自分の限界。そう思いたくなる瞬間があります。でも、「ここがゴールではない、まだ終わりではない」と思って、歯を食いしばって、問題に立ち向かう勇気をもてば、今日できなかったことが、明日できるかもしれません。
大きな選手に果敢にタックルをする選手たちから勇気をもらい、私も改めてがんばっていこうと思っています。
9月18日は敬老の日ですね。今年は、多くの施設で、お祝いの催しが行われるのではないかと思います。昨年のいまごろは、新型コロナウイルスの脅威にさらされ、敬老会を開催できなかった施設も少なくなかったのではないでしょうか。コロナに苦しんだ約3年間、度重なるクラスター、先の見えない絶望感のなか、「もう限界…」と思ったことはありませんでしたか。
それでも私たちは前進してきました。ここまできました。ゴールはそこではなかった。まだ終わりではなかったのです。
私たちには、困難を乗り越える力があります。逆境に負けない力があります。
いま、そこは限界ではない。
共に、がんばりましょう!
著書のご案内
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山口晃弘氏の著書が弊社より発行されています。
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。現場のリーダーからも「この本に出会えてよかった」「求められているリーダーについて深く理解できた」「実践にもすぐに役立つ」など、嬉しい感想を頂いています。ぜひ、ご一読ください!
介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8