山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
-
介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
人はなんのために生きているのか
厚生労働省の発表によると、2022年、小学生、中学生、高校生の自殺者は512人。統計のある1980年以降、過去最多となり、はじめて500人を超えました。
増加になった詳しい原因などは、まだ分析中のようですが、子どもたちが生きにくい社会なのではないかと推察します。この原稿を書いている際も、子どもたちの卒業式のニュースが流れていました。中学生、高校生が、3年間ずっと感染症対策として、お互いのマスクを付けた顔ばかり見て、食事中は黙食と指導され、これまでの中学生、高校生が過ごしてきた学校生活とは明らかに違うものであったようです。
子どもたちの自殺の原因が、コロナやいじめなどであったとは限りませんが、子どもたちには、どんなに辛いことがあっても、生きてほしい。生き続けてほしいです。
私は、中学生、高校生の頃に学校でいじめにあっていました。学校に行くのが嫌で仕方なかった。「人はなんのために生きているのか」そんなことばかり考えていました。でも、結局、結論は出ませんでした。
当時の学校は、土曜日は午前中で帰れるから、明日が休みだと思うとすごくうれしかった。でも、日曜日になると、「明日は学校だ…」と気持ちが落ち込むのでした。そう振り返ったときに、ふと思い出したのが、『元気が出るテレビ』という番組。日曜日の夜8時から放送していました。子どもの頃の私が憂鬱な日曜日の夜。ところが、この番組を見ている時だけは、大笑いして、明日の学校のことを忘れられるのでした。『元気が出るテレビ』とはよく言ったもの。私がこのブログや講演、執筆などを通して発信したいものは、まさに“明日からの元気”です。私の発信を受け取ってくれた方が、「明日からがんばろう!」と思っていただけたら、これに勝るよろこびはありません。
人生は傷つくことがたくさんあります。これは大人になっても続きます。
明るいところに出るまでには、長くて暗いトンネルがあって、出たと思ったら、またトンネルが現れます。
いくつもある長いトンネルを諦めずに歩き続けるのが人生です。
強く生きなくていい。
生きているだけで強い。
生きること。
それが生きる意味だと私は思います。
命は大事。そんな言葉で、悩む人、苦しむ人の心は救えません。
あなたが必要です。あなたに生きていてほしい。
そう伝えてください。
その言葉、その気持ちが、明日を生きる勇気になります。
著書のご案内
-
山口晃弘氏の著書が弊社より発行されています。
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。現場のリーダーからも「この本に出会えてよかった」「求められているリーダーについて深く理解できた」「実践にもすぐに役立つ」など、嬉しい感想を頂いています。ぜひ、ご一読ください!
介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8