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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

ベトナム行記(その1)

 今週と来週は、学生さんからのQ&Aはお休みして、ベトナム渡航のお話を載せさせていただきます。

 先日「07日成田発・11日成田早朝到着行程」でベトナムに渡航しました。
 コロナ下で渡航再開の今、ベトナムへの入国はコロナ前と変わらずでしたが、日本帰国時に必要な新型コロナウイルスワクチン接種証明系のアプリや証明書を取り寄せる手間が必要になりましたし、しかもベトナムのホテルで帰国前PCR検査を行ってまでしての渡航となりました。

 渡航の目的は、技能実習生の入国が再開されたことを受けて三期生の面接と、二期生の家庭訪問が止まっていたので、それを行うためです。
 併せて、ハノイの老人ホームで奮闘している日本人(ナイスガイ)にも再会してきました。

 あくまでも僕が受けた印象ですが、コロナに対してベトナムの国や国民の様子は「日本のインフルエンザ並み」って感じでしたね。
 お会いしたベトナムの方も「みんなでうつることにした」と言っていましたが、そんなことなのでテト(日本の旧正月)後の2月3月は大変な状況だったようです。でも、それを乗り越えたからなのか、町全体が平然としている印象を受けました。

 ただ、やっぱり影響はあり、ハノイ東部のある町では、商店が軒並み閉まっていたので、現地の方に理由を聞くと「コロナで人通りがなくなったからお昼休憩で夕方まで閉めるようになったからだ」とおっしゃっていました。

 正確なことはわかりませんが、今はコロナ感染者数の把握はしていないようです。現在インフルエンザが流行っているとのことですが、でもそれは「新型コロナのオミクロン株じゃないか」と言う方もいたほどで、日本とはかなり印象が違いますね。
 要は、「熱が出たら解熱など治療をして、だるければ休んで、快復すれば元の生活に戻すだけのことだ」と。日本では口に出せないことでしょうが、そういう感じなんでしょう。

 ハノイで頑張っているナイスガイは、日本でもけっこう知られている方(のよう)ですが、ベトナム初の「デイサービス的支援」に取り組み出したようです。
 1日60名定員で「まだ6名ほどだ」と課題視していましたが、「実質スタート2か月程度の期間で、そんなところ、だ~れも知らない中、1日6名もの方に来てもらえているのはスゴイ!!」って僕も僕のボスも思いましたし、ナイスガイに二人からそう伝えると、ちょっぴり安堵していました。

 政府系関係者の視察が後を絶たないようですが、何の制度もない中で事業として継続的にやっていけるかどうかは、それなりに利用料を支払える収入層の人たちにとって必要性があるかどうかにかかっているように思います。
 利用理由は「レスパイト・家族にとって必要だから」のようで、送り迎えも家族がされているようです。
 まだ、国民の平均年齢が31歳(日本は48.6歳 世界第二位に躍り出ました!)の若いベトナムですが、やがて高齢者増加社会が到来しますから、これから支える施策・仕組みが必要に迫られることでしょうし、きっとその中では「本人にとって必要なデイ(支援)」を国民が求めることでしょう。

 ナイスガイは「もっともっとやりたいことがある」と言っていましたが、外国で民のために切り拓こうとするナイスガイはスゴイなって思うし、機会あればバイタリティ溢れるナイスガイと改めていろんなことを語り合ってみたいし、みんなに聞いてもらいたいなって思いました。
 ちなみに「たこ焼きづくり」にもはまっているようなので、ナイスガイをご存じの方は、具材や焼き方のアイデアを提案してあげてください。

写真(下)

 家庭訪問時に出していただいたスイカですが、カットの仕方がベトナム風?

 どこのお宅に伺っても自宅で植えている(ようで)、ライチ?・メロン・バナナ・柑橘などの果物を出してくださるのですが、どれもこれも美味しいんです。

 過去には、水牛・犬・ガチョウ料理など珍しいものをいただいてきましたが、今回は、山羊で有名な町で山羊料理もいただきましたし、カエル料理もいただきました(犬料理は動物愛護の考え方が入ってきて、都会では食べられなくなってきているようです)。
 どれも美味しかったのですが、そもそも僕の好物は野菜なので白菜や空心菜の炒め物、ハーブ系の葉っぱについ手が伸びてしまいます。他にも虫料理の町もあるそうですよ。ホント、ベトナムの方々の逞しさを感じますね。
ちなみに家庭訪問で出していただいたことがある鶏肉料理は、最高に「美味しい」って思えました。自宅周りを這いずり回っている鶏ですからね。日本で言う「地鶏」で高級鶏肉。高速道路のサービスエリアの一角で、おっちゃんにアヒルが絞められていましたもんね。
 酒は、サイゴンビールもいいですが、やっぱりいただいた中では「ベトナムウォッカ」が一番好きです。激しく飲んでも目覚め時はスッキリで、酒も記憶も残らないですからね。僕に合っています。