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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

久々北海道

 新型コロナウイルス感染症の出現で、全国各地の研修会等が中止になり又、家族で旅することも自主規制してきましたが「withコロナ」にあやかり、久々北海道に行ってきました。
緊急事態宣言以降、移動は車となりましたので、北海道にも愛車と一緒に。僕と愛車、足して120歳コンビでの渡道です。

 25日名古屋⇒東京(仕事)⇒大洗(茨城県)⇒フェリー⇒26日苫小牧⇒日高⇒日勝峠⇒帯広(研修会)⇒広尾⇒襟裳岬⇒苫小牧⇒ホロホロ峠⇒伊達⇒きのこ天国⇒苫小牧⇒フェリー⇒31日大洗⇒31東京(仕事)⇒04日名古屋の行程。

 僕の愛車は、暑さに弱く・雨に弱く・湿度に弱く・段差に弱いのですが、東京までは好天気のなか事故渋滞に遭遇し、あわやオーバーヒート状態に。
車にとってオーバーヒートは熱中症。気温がどんどん上がる最中、一時間にも及ぶトロトロ走行に倒れかけました。しかも、事故渋滞には二度遭遇し、事故の影響で到着が遅れたので都内の渋滞にもはまってしまい、最悪でした。

 18時間の船旅を経て苫小牧に到着した翌朝、音を伴う強風の天候に。当初は襟裳岬経由で帯広入りを計画しましたが、あまりの強風と怪しい雲行きに、海沿いを走る襟裳岬経由では海水を被りかねないと判断し、日高から石勝樹海ロードでの山越えルートに変更。
次は強風に雨が加算され「北海道+強風雨フル加算」です。まぁ、強烈でした。

 途中、大河ドラマの影響で「義経神社」の看板に心が動き立ち寄ったのですが、看板を見落とし曲りそこねてしまい、地道の山道に入ってしまいました。強風雨+地道・山道ですからね。車高が低く段差に弱い愛車は轍にとても弱いのでメチャ慎重になりました。

 標高1022メートルの日勝峠を通る石勝樹海ロードは、とても景色の良い快適ドライブコースのはずですが、次なる僕への来道加算は車のボンネットしか見ないほどの「濃霧」。
久しぶりに「怖いなぁ」って思う霧の中「峠下り」です。いやぁ、くたびれました。

 この道中で気づいたのは、日高から十勝へのルート上に温泉がないこと。「こんな天気やし♨めぐりでもするか」って思ったのに当てが外れました。
 ようやく帯広に到着して「天然温泉」の看板に吸い寄せられ健康ランドのようなところに立ち寄ったのですが、次なる試練は駐車場へ入れない加算。理由は「段差」
 雪国だからか道路から駐車場に入るのにそれなりの段差を設けてあり、僕の愛車は床下高が極めて低く危ういため、この段差は避けたい。でも温泉に入りたい。しょうがなく、健康ランドを二周して見つけた段差を解消している歩道経由で入りました。(すみません)

 あいにく感染拡大で、研修会三本立てのうち集合予定だったものは中止。その他二本の研修会はリモートでしたが、帯広の皆さんにお話ができ、皆さんのご質問にもお応えさせていただくことができました。
 リモートなら名古屋に居てもできましたが、一緒に酒の飲み交わすことはなくとも、仲間たちとの再会で「やっぱり生はいい!」を実感できました。リモートは便利やけど、やっぱり人にとって「生」を感じられる距離って大事!
 残った3つの質問は、今月のブログで順次お応えさせていただくことにします。

 久々の北海道は「大渋滞+強風雨+地道+濃霧」と54歳の愛車にとって最悪ですが、僕にとっては「仲間たちとの再会」という最高の加算がつきました。言うことなし!です。

 それにしても僕が来る前日までは好天続きで、酷い砂ぼこりが舞う農家泣かせの少雨だったようですが、「和田さんは農家の救世主ですよ」と言ってもらえるほどの雨が降りましたからね。嵐男の僕ですが、地域貢献できたようです。

 今朝(29日)は晴れています。
 今日は、帯広⇒襟裳岬⇒苫小牧へと移動し、今回の来道二つ目の大目的「カッパーズ(バンド仲間)の連中との再会」が待っています。どんな旅路になることやら。楽しみに出発します。

 ちなみに研修会でのご質問の中に、皆さんの関心の高い「治療薬の行く末」に関する質問がありましたので、ブログでも触れておきますね。

 そもそも、こういった質問に僕がお応えできるはずもなく「研究者に聞いてくれェ!」なのですが、せっかくいただいたご質問なので、仲間の認知症専門医に最低限のことを尋ね、お応えさせていただきました。

 いわゆる治療薬は進展しておらず予防薬がアメリカでは開発されているようです。
医師いわく、すでに1種は使われているようですが高価(四桁万年に近い額だそうです)に加え、あまり出来栄えが良くないようですが、それ以外に数種、治験に入っているそうです。ただ、それもアルツハイマー病に対する予防薬だそうです。

 脳の細胞や繊維を破壊する病気の根本的な治療は「再生治療」や「移植治療」といった先端医療の出番待ちなのでしょうか。結局、治療ではなく予防に薬の開発は向かっているようですからね。素人の僕にはまったくちんぷんかんぷんです。

 ただ素人の僕にも描けることは、一般市民までアルツハイマー病を根治できるようになると人類・国民に幸福をもたらすでしょうし、その一員として歓迎すべきことではありますが、日本では介護保険制度が大きく改められ介護業界の地図が大きく塗り替えられでしょうし、そうなれば「これといってトリエのない僕は失業するな」っていうことです。

写真

 やっぱ北海道と言えば白樺。雨続きで思うように写真が撮れませんでしたが、帯広に入ると小雨になったのでパチリ。
 また、帯広に来ればどうしても行きたくなるのが「飲み屋街」ですが、僕の好みは写真の通りの「昭和そのものの飲み屋」です。

 コロナの影響で「ひょっとして、もうなくなっているかも」と思いつつ見に行く、この「いなり小路」以外の「小路や世界(飲み屋街の屋号かな)」も健在でした!
 日本各地の「昔ながらのたたずまいを残す飲み屋街」が消えていくことを寂しがっている僕としては、とっても嬉しくなってきましたね。今回は仲間たちとワイワイできませんでしたが、いつかまた、この一帯に来てみたいです。
 ただ、僕や帯広の仲間にとって思い出のお店は、看板こそ残ってはいましたが営業していないようです。残念!