和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
どうしよう
僕にとって認知症に関することのモチベーションになっていた超大事なじいさんが死んだ。
初めて会ったとき「せんせいと呼ばないで 〇〇」とギターにサインしていただき、その場で約束したことをエンジンにして走ってきたのに、そのエンジンがなくなってしまったのだ。
これからどうしていっていいか、わかんなくなっている。こうして文字にして整理しないと僕が不動になりそうな気がして…
じいさんに約束したことは「あなたが築いてきた土台を僕は必ず発展させます」だった。
あれから18年間、約束したことを胸に走り続けてきたけど、僕はじいさんとの約束を守ることができたのか確認したかったのに、いくとも言わないで逝ってしまった。悲しい、寂しい、ツライ
約束がエンジンで、じいさんが耳元で囁いてくれた「和田君、パッションだよ」が燃料だったな。
気づいたら、僕の中では舞台の上で一番語り合った人がじいさんで、書けること書けないことエピソードがいっぱいあるけど、世界的権威者であるじいさんは、いつも失礼極まりないヤンチャ介護職の僕をぐるぐる巻きに包み込んで語ってくれた。
僕とじいさんの対談講演会のあとの聴衆の感想に何度か「〇〇先生が、こんなにお茶目な方とは思いませんでした。とても親近感を感じました」っていうのがあったけど、聴衆はどうあれ、僕にとってあの愉しくも意味深い会話がもう二度とできなくなったことによる損失は、計れやしないけど計り知れないだろう。
はぁ~
ためいきばかりつく僕に
ためいきが溜まらなくなるのはいつなんやろ
合掌