和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
考え(至らなさ)すぎかなぁ
新型コロナウイルス感染者数が急激に減少し「第五波は収束」なんて言われ始めていますが、最近のコロナ関連報道で気になったのは「なぜ、急速に感染者数が減ったか」という話題です。
巷では急速に減った理由として諸説が飛び交い盛り上がっているようで、ワイドショーでも紹介されていましたが、その中で「恐ろしいなぁ」と思ったのは、「急速な減少は10代20代で感染した人たち自身が、その症状や後遺症についてTikTokで流したことに若者たちが恐怖を感じ行動が変わったから」という説です。
お恥ずかしいことに「TikTokとは」から調べはじめた僕ですが、中国の企業が開発運営しているケータイ向けショートビデオプラットフォームというものだそうで、勝手にいろいろなショート動画が流れてくるそうですが、知らず知らずのうちにTikTokをやっている若者たちにコロナ感染実体験情報がドッと流れ、それに恐ろしさを感じたからではないかというのです。
それが事実かどうかは確かめようがないですが、人々、とりわけ若者と呼ばれる人たちの行動に多大な影響を及ぼしているとしたら、それを逆手にとった「悪事」もあるのではないかと僕は考えてしまい、人間に与える「風」というものを考えている僕としては、恐ろしさだけしか描けないからです。
よく選挙でも「風が大事」だなんて言われる「風」は、間違っているかもしれませんが、近い話ではトランプ前アメリカ合衆国大統領のひと声で議会襲撃が思い起こされますし、ヒトラーによる戦争も日本の戦争も「風」が利用された気がしているし、かく言う僕も「風」を考えて要介護状態にある人たちの支援に取り組んできましたので、尚更感じるのかもしれませんがね。
情報がとりやすい・とりにいかなくても入ってくる時代は、とても便利ではあり僕も享受していますが、本当のことはどうあれ、若者の行動が変わって感染者数が減ったことを「結果オーライ」で済ませるとしたら、それは危険かなと思いました。
腕が痛くてパソコン仕事に向かえず、ワイドショーを見過ぎたせいもあって、考えすぎなのか考えが至らなさ過ぎなのかさえわかんなくなっている僕です。
追伸
いきなりですが、総務省の発表によるといよいよ「総人口の29%が高齢者」という時代を迎えたようです。ちなみに次がイタリア23.6%、その次がポルトガル23.1%ですから、ダントツの金メダルです。
僕が産まれた1955年は5.3%、10%を超えたのは1985年、20%を超えたのは2005年、僕が高齢者になった2020年で29.1%3640万人になったそうで、この先、2040年には35.3%になるようですから、しばらくこの分野でのライバルは不在で日本の金メダルはゆるぎないでしょう。
ちなみに世界一高齢化率の低い国(2020年)はアラブ首長国連邦1.26%だそうで、出生率世界一(2019年6.82人)のニジェール共和国の高齢化率は2.6%だそうです。世界平均は9.32%だとか。
数字って面白いですね。
写真
自分の姿を変えて、それを自分で確認する手立てとしては「鏡」のほかに「影」がありますが、僕の頭の部分の影はかなり変容しました。