和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
大震災から10年 その2
各地の仲間に「災害時にお互いに支援し合うネットワークを構築したい」と声をかけ、2011年8月長崎県佐世保市で「災害支援法人ネットワーク:通称おせっかいネット」の結成総会を開催しました。
このネットワークは、まずは自社で自立的に災害への備えをすることを謳い、「いざ鎌倉」の時には、会員法人のからの依頼を受けなくても勝手に支援行動をとるというものです。
北海道から沖縄県まで20法人が参加する「おせっかいネット」は、年2回かお馴染みの関係をつくるため学習交流会を、会員法人のある都道府県で開催してきました。
災害がらみのことを学習し、宴で関係性を深め、会員法人の事業所を訪ねて災害時に向かう場所を知り、「場も人も描ける関係づくり」を目指してきました。
あれから10年。
一昨年は台風で水に浸かった仲間のグループホームへ支援を行いましたが、幸いにもその一件だけで済んでいます。
昨年は、新型コロナウイルス感染で一度も顔合わせをしていませんが、お互いの関係はできており、「いざ鎌倉」時は機能することでしょう。
先日、読売新聞が東北大震災から10年の特集を組むということで取材を受けましたが、物の支援は聞くけど人を送り込む支援はなかなか聞かないと記者の方は言っていました。
一昨年の台風被災時は、必要な物の支援のみならず職員の派遣も行い効果を上げましたが、確かに容易いことではありません。
物も必要ですが、被災地は久事業所職員も被災者である場合が多く、介護保険事業所に住まう入居者を放り出して「我が事」で事業所を離れられない・離れにくい現実があることを考えると、夜勤までできる人を派遣すれば、その分だけでも職員さんは安心して自宅に戻れますからね。
しかも認知症・要介護状態にある人たちの支援を日常的に行っている人を派遣するわけですから即戦力で、支援を受けた側は心強いですよね。
災害支援に駆け付けることがないことが一番ですが、この国はもともと地震・風水害など被災大国であり、海水温の上昇による影響か台風なども大型化してきていますので、やっぱり「備え」が必要で、この度の介護報酬改定でも「災害への備え」が義務付けられたのも、うなずけます。
面倒ではありますが、東日本大震災10年、新型コロナウイルス感染を機に「備えあれば憂いなし」の先人の言葉を思い返し、しっかり職場も自宅も身も備えていきましょう。
まずは、身体に携行するのがよいでしょうが、少なくともカバンの中に懐中電灯を入れることをおすすめします。暗闇に慣れていない僕らの脳はパニックを起こしかねませんからね。
お知らせ
3月3日の読売新聞全国版(社会福祉のページ)で、災害支援法人ネットワークが紹介されます。よかったら読んでみてください。
写真
猫雛です。
2021年も3月、早いなぁ…