和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
まさに非常事態・異常事態
イヤがおうにも新型コロナウイルスの話題に触れざるを得ませんが、大変な事態になっています。
何が大変かって、感染者数の増加というより、感染者数の増加で、医療機関もさることながら保健所がアップアップになっているのではないかと思えることによる「?」です。
その「?」とは、12月初旬、第三波襲来の初期の頃は、介護施設で陽性者が判明すると、その直後に保健所から聞き取りがあり、関わった利用者・入居者や職員が濃厚接触者にあたるかどうかのジャッジが出て、濃厚接触者に当たると認定されると、他者との接触を制限されたので、感染拡大に歯止めをかけられたのではないかと思えますが、今の状況は、濃厚接触者に該当するかどうかの聞き取りが追い付いていないのか、時間がかかり、認定を受けていない以上、仕組み的に制限できないため、それまでどおりの生活を続けることができるということになります。
つまり、つい1か月ほど前なら仕組み的に生活行動に制限を加えられていた状態の人たちが、今は制限を加えられないままそれまでと変わらぬ生活を送り、時間だけ過ぎていく状況になっているということです。
これは大いに「?」で、初期対応の遅れが感染拡大の悪循環を生む状況になっているのではないかと危惧するばかりです。
僕ら介護施設では、濃厚接触者の認定があろうがなかろうが、関係者に陽性者が出れば、「濃厚接触があったという判断を前提に対応します」が、その初期対応がされていない状況下にいる人のほうが圧倒的に多いのではないかと思うと、この一週間の平均感染者数が倍になっている東京都の爆発的な感染拡大に納得するばかりです。
また、介護施設で陽性になった入居者の入院にも時間がかかるようになり、介護施設内で対応せざるを得ない時間が長くなってきましたし、PCR検査をしても結果が出てくるまでに時間がかかるようになっています。
年末には、陽性者で介護施設にて入院待機していた方の状態が悪化し救急搬送を手配しましたが、実に25病院に連絡をして入院できず、救急車が2時間待ちぼうけという事態が起こりました。幸いに入居者は無事でしたが、この事態も報道でいわれている「医療崩壊」を裏づけるものでした。
同時に、職員さんの家族や知人に陽性者が出るケースが増えてきました。市中感染が広がっているのでしょうね。
こうしたことは職員さんにとっては精神的に非常にきついことで、「自分が実はうつっていて、自分が利用者・入居者にうつしてしまうのではないか」と自分を追い込んでしまいかねません。
今回緊急事態宣言の対象になった首都圏に限らず、僕の住む愛知県でも、大阪府でも感染者数の規模が違ってきていますし、人口比でみれば、あちこち非常事態といっても過言ではないでしょう。
コロナでうちの事業所が大きな影響を受けているため、今日今年三回目の上京となりましたが、さすがに今回は「時差昼飯」さえやめて、テイクアウト弁当にして、市中で飲食しないようにしました。
周りで起こっていることに自分の立ち位置を考えて行動することも僕にとって欠かせませんが、周りの人が心配してくれていることを胸に行動することも不可欠です。
要介護状態にある方の暮らしを支える介護事業者にとって、コロナ闘争、めげることなく突き進むしか道はないのですから。
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世はコロナで非常事態ですが、富士山は雪がない異常事態?
雪まみれの日本列島なのに、日本一高いお山が冠雪していないんです。異常なほど降雨量が少なかったことが原因のようですが、例年なら真っ白ですからね。
今朝も、ほぼ「黒い富士山」でしたよ。