和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
真夏に防寒コートを着る真っ当さ
風に当たれば気絶するかと思うほど強烈な熱風は「快風」へと変わり、耳にこびりつく蝉のミーミー音は「リーンリーン・鈴の音」へと変わり、雲は上へ上への積乱系ではなく横へ横へのスジ系へと移り変わり、すっかり秋ですが…。子どもたちにとって空模様や世間が秋でも、入水できれば夏そのもので写真のとおり。
これも、雲が積乱雲なら夏の光景そのものですが、秋色のうろこ雲と夏色の子どもたちの姿にギャップを感じるだけのことで、何であろうが遊びたいように遊ぶのが子どもたちと考えれば、何ら違和感はもたないでしょう。ちなみに水温はそれなりでしたし、うちのちび以外海に浸かっている子どもはいませんでした。
グループホームに入居していたカネさんは、「夏でも寒いと感じれば冬」で、真夏にバリバリの冬コートを羽織ってリビングに出てきていました。
夏のオフィスは、エアコンをガンガン利かして外仕事から戻ってくる人や訪問してくる人にとって超夏仕様にしますが、事務員など内勤者にとっては冬状態。
他人にわからないように下着を厚くするなど実質冬装備しても、制服は半そで夏衣装のまま「見た目夏」を保持しようとしますが、寒いのなら寒いなりの衣装をまとえばいいのに、子どものように「思うがまま」とはいかないのが「大人」なんでしょう。
ただ、カネさんの周りにいるのが僕とは違う人だったら「季節外れの服を着る=BPSD=異常行動者」にされてしまうかもしれませんね。
どう考えても事務員さんよりカネさんのほうが、大人よりも子どものほうが筋が通っており真っ当だと思いますが、そう思いませんか。
追伸
先般、わが国の総理大臣が代わりましたが、大事なことは国民生活が少しでも良くなることであり、人と人、人類と自然界が共存共栄できる社会や地球になっていくことで、総理大臣の顔や名前が変わることが「大事さの第一義ではない」ですからね。
アメリカのカリフォルニア州では近い将来、今現在主流の内燃機関を使った自動車が販売できなくなるようですが、これはすごい話です。その理由は、内燃機は温暖化を促進し、山火事を根本的に抑えられないからだそうですが、これが政治ですよね。
僕は政治にこそ大いなる期待を寄せていますが、裏切られてばかりの記憶しかないんですよね。ハハハ