和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
失智症
台湾に行ってきました。
行ってきたといっても、「一日目:桃園(Taoyyuan)空港→台湾高速(新幹線で350キロほど移動)→屏東市内のホテル→二日目:車移動→会場→車移動(350キロ近くタクシーの旅)→台北市内のホテル→三日目:車移動→桃園空港」ですから、ほぼ見ただけの弾丸ツアーでした。
目的は、日本流にいうと厚生省主催の「2019年度認知症予防国際セミナー」にお招きいただき、スピーチしてきたってことです。ちなみに喋る方も聞く方にも同時通訳機を使ってのセミナーでした。
台湾では認知症を「失智症」って書くんですね。初めて知りましたが、台湾の方も日本語では「にんちしょう」って言ってくれていましたけどね。
台北の桃園空港から台湾高速桃園駅に移動しましたが、その間に見た光景は、街に散らばっている文字と野良犬以外は日本の都市風景と変わらず、台湾高速の駅構内で見たお店は「マック」「スタバ」「一風堂」「ミスド」とおなじみの店ばかり。マツモトキヨシまでありましたから、まるで日本の駅前でしたね。車は圧倒的に日本車でした。
台湾高速の車両は、塗装は違っても旧い日本製700系でしたので、感動はありませんでしたが、車内に荷物置き場が備わっているところが日本よりも親切さを感じました。
来年は東京オリンピックで外国の方がたくさん来るんでしょうが、いつも思うのは、新幹線の中にボストンバッグや大型のキャリーカーを置くスペースがないのが気になります。
空路につながる電車で親切なものには、荷物置き場が備わっていますものね。東京モノレール、名鉄電車にもありますよ。
街をぶらつけたのは、到着した夜の屏東市内(2時間くらい歩き回りました)と、セミナーの昼休みに会場の大学周辺を歩いただけでした。
ベトナムでも感じますが、夜の街は日本以上ににぎやかでしたね。食べる・飲む・語るに旺盛さを感じました。治安はほぼ問題ないそうですが、それも肌で感じました。
言葉は中国語(通訳の方は北京語と言います。いわゆる標準語ですかね)が主流で、台湾語とごちゃごちゃしているとか。まぁ、方言が混ざっているって感じですかね。
もちろん日本でいう漢字表示なのですが、車のクリーニング屋の看板は「汽車美容工」でした。
セミナーには、ロンドンとロスアンゼルスのアルツハイマー協会の方もお招きいただいていました。他にも台湾の取り組み発表のようなものがいくつかありましたが、久しぶりに長い時間座って人の話をじっくり聞きました。
細かいことはわかりませんが、僕が感心したのは、認知症を考える軸に「人権思想」が日本より高い感じがしたことです。
台湾の人口は2300万人。高齢化率14%、7人に1人が65歳以上の高齢社会に突入したようで、認知症の方の推計数は28万人(聞き間違えていたらごめんなさい)、今後増え続けていくことを見越して、先進国から学ぼうという姿勢をビンビン感じました。
冒頭の写真にある横断幕の「108年度」は民国紀元のようですが、西暦に慣れている僕には最初「?」でした。のちに調べると、中華民国が成立した1912年を紀元(元年)としてカウントしているようです。
台湾から超好天の時に見えた島に、船を造って渡りついたのが与那国島といわれているほどの近い島・国ですが、まさか認知症のことで訪れることになるとは思いませんでしたね。
ただ、台湾の方には言いませんでしたが、認知症=失智症に「失」を使っているところは呼称変更してもらいたいなって思いました。
ちなみに台湾の北部台北近郊は新しいまちづくりが進み、バブル化しているようで、マンションは東京並みの高さなのに若者たちに大人気とか。共働きで50%以上の資金を使ってでも住みたがるそうです。
物価はほぼ日本の三分の一ぐらいで、高校までが義務教育、99%が大学進学、介護の仕事に就きたい方はホントに少ないようで、介護従事者は外国人が多いようです。
これは初日に、高雄の新光三越(百貨店)の中にある有名な麵屋で食べさせていただいた、いわゆる「牛肉麺の辛いバージョン」でしたが、メチャ美味かったです。麺は僕の感触では、我が家の近くにある「手打ちきしめん屋の味噌煮込み用きしめん」って感じでした。
結局台湾で食べたのは、ホテルのモーニングを除いて、この「牛肉麺」「モスバーガー」とセミナーで出た「豆だらけのお弁当」のみでした。ハハハ
どこかの企画会社さんには、台湾の実践を聞く機会を企画してほしいものです。学べることがたくさんありそうですよ。
また、台湾のこと、書きますね。