和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
意欲は困難の入口 だが…
今から25年前の平成6年、39歳のとき、デイサービスのリーダーになった僕が取り組んだのは、「制度による縦割り取っ払い」「選択メニューの導入(意思)」「今みんなが言う自立支援」「夢外出」「家族間のつながり強化」「相談即応」「ワンデイ(突発的な1日だけの利用の制度化)」「デイからの卒業対策」などがある。
縦割りの取り払いとは、老人福祉法における虚弱老人はB型(現通所介護)、認知症の方はE型(現認知症対応型通所介護)、老人保健法の対象者は機能訓練事業(現通所リハ)というように、制度で利用者を分別するのではなく状態で分別する仕組みに大転換した。
具体的には認知症があるなしにかかわらず、全利用者を「利用者4人:職員1名の比率で支援できるグループ」と「利用者2人:職員1名のグループ」に分け、状態に応じた支援を行うことにした。もちろん制度を替えれるわけもなく現場での運用を変えたのだ。
それに伴い、4:1のグループに選択メニューを導入。 職員4名出勤なら「4つのメニュー+何もしない」の5メニューを毎日提示し、利用者が選択する仕組みだ。 職員が個々に、利用者像を考えてプログラムを立て、そのプログラムをどの職員も実施できるように「企画化」し、プログラム数を増やしていった。
いずれの職員もステキな発案で、利用者に意味あるプログラムを積みあげてくれていたが、職員たちの手間暇は大変だったことだろう。
今でこそ「選択メニュー」なんて珍しくもないだろうが、当時は「変わったデイ」と言われ、行政管轄内デイサービス合同の職員研修会に出るとあれこれ聞かれるので、職員は参加するのを嫌がっていた思い出がある。
常に現状に満足することなく「より良く」へ意欲をもって仕事をするというのは、どんな職業にも共通に不可欠なことだろうが、「より良く」は常に困難と労苦が伴うものだ。
テレビ番組で「フランス料理店のドラマ」をやっていて、結構はまって見ているが、ドラマで描かれる料理・接遇への追求心や探求心は、そこにどんな困難や労苦があろうとも立ち向かっていく専門職の意気を感じる。 大いに見習わなければならないとつくづく思う。
意欲は困難の入口だが、その欲こそが専門職に不可欠なのではないだろうか。
写真
写真の映りが良くないですが、東京お台場の夜景です。
屋形船に乗らなければ見れない光景かもしれませんが、同じ光景も、どの位置から見るか、どう見るかで見え方が違ってきますよね。
仕事も同じなんですよね。
これはわかりやすい!
一目で何屋さんかわかりますものね。このわかりやすさ、見習わねばデス。
ご案内
12月17日(火)19:00~20:30 中央法規出版ホールにて
和田行男さんトークイベント「カイゴの晩餐」を開催します。
- 和田さんがいま取り組んでいること
- これから和田さんがやりたいこと
- 10年後、和田さんは何をしている? 20年後は?
などについてお話しいただく予定です。
また、後半は
「10年後の介護はどうなっている?」「もし認知症になったら自分の事業所を利用する?」「介護保険をゼロからつくれるとしたら、どんな制度にする?」などのテーマについて、
会場の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
イベントについての詳細は以下をご覧ください。
https://www.facebook.com/ohayo21
<応募方法>
「おはよう21Facebook」「メール」「FAX」にて受付。
氏名・勤務先・メールアドレス(またはFAX番号)を記載のうえお申し込みください。
<お申し込み・お問い合わせ先>
おはよう21編集部
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