和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
暑くなると熱さを思い返す
7月に入ってもなお「寒いなぁ! 夏はいつ来んねん」ってぼやいていたのもつかの間、まぁ暑いこと。
暑くなると思いだすのが「よしこさん」
グループホーム入居者ですが、彼女は超オシャレさんでした。
着るモノ、つけるモノ、持つモノを自分流にアレンジして着こなします。
認知症になっても堂々と地域社会をステージに生きてもらいたい想いから、傘は写真のような派手なものを準備して玄関先に置いていましたが、よしこさんは玄関を出て眩しさを「目に・肌に」感じると、置いてある雨傘を指して出かけます。
あるとき、いつも行くスーパーから電話がありました。
「お宅の方がいらしていてレジに並ばれたのですが、お金をもっていらっしゃらないようで…」
「そうですか、すいません、すぐに行きます」
と吹っ飛んでいくと、その日は黄色の傘を片手にレジに並び、僕の顔を見るとニコッと微笑んでくださいました。もちろん、レジのお姉さんは大喜びでしたね。
暑くなると、このときの自分の熱さを思い返すことができます。
追伸
先月の週末、北海道へ行く直前の上京時に、いきなり台風が発生し「関東直撃!」の一報。
案の定「和田さんが東京に来るからですよ」とちらほら聞こえ出し、「おかげで隅田川花火大会が中止になるかもってんで、てんやわんやですよ」とトーンが大きくなり、「ひょっとしたベトナム出張の飛行機に影響が出て行けなくなるかも」へと大展開。
僕も出張組でしたが、週末北海道に行って名古屋に戻り、週明け名古屋出発便だったので「えーっ、ひょっとしてハノイで独りぼっちかいな」と笑っていたのですが、名古屋に戻る頃に台風の進路は一変し「紀伊半島上陸!」へ。
「えーっ、ベトナムどころやないがな。そん前に北海道に行く飛行機大丈夫かいな」と更に調べると、名古屋を発つ頃に愛知県直撃のルート予報になっている。。
さっそく主催者に「こんな状況やけど、どないしますか?」と確認すると、「最悪、東京からの飛行機で間にあいますから」と、さすがの大陸的見解を出され、かなり時間のかかる旅路になる腹を固めた。
嵐男の僕が名古屋に戻ったことで台風の進路が変わり、隅田川の花火大会は開催できることになり、東京組は何の影響を受けることもなく晴れてベトナム出張に旅立てる目途がたちましたが、僕だけやきもきです。
今回の台風は予想よりもスピードが速かったのか小ぶりだったのか、飛行機への影響はまったくなく北海道へ旅立つことができたましたが、行き先地の十勝地方は「先日までは天気が悪くてね。今日は天気が良すぎるほど」と言われるぐらいの好天で、33度の猛暑。
荒れ・アレの十日間でした。
次回は、ハノイで開催されている「介護カフェ」へのお邪魔記をお届けしますね。