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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

ふつうに「特定」


 先日ある方から「注文をまちがえる料理店で、エプロンをつけている人が認知症の人ですよね。それをつけさせて認知症だということがわかるようにしているのは失礼ではないでしょうか」という質問を受けました。

 そういえば、3月に厚生労働省内で開催した後、ネット上で同じような声をあげている方がいたことを教えてもらったことがありました。

 私たちが開催している「注文をまちがえる料理店」は、お客様にお金を払って来ていただいている「料理店」であり、その料理店のフロアで接客するのは、認知症があってもプロの接客係です。

 どこの料理店でも、接客係ひと目見てわかるように制服等を着衣して特定しますが、それに違和感をもつ方はいないと思うし、もつとしても「あの制服等が気に入らない」となるのではないでしょうか。

 この方の質問が「あのエプロンのデザインが気に入らない」だったら「そうですか、好き嫌いは誰にでもありますからね」で済ませたのですが、「認知症の状態にある人だと特定される服装がおかしい」と言われたので、「誰が接客係の方かわからないほうが良い=ふつうじゃないほうが良いということでしょうか」と逆に聞いてしまいました。

 僕らは認知症の状態にあることを特定するために接客係にエプロンを着用してもらっているのではなく、お客様に「接客係はこの方」ということがわかるようにしているのですが、それは「ふつう」のことで、ふつうのことをしただけです。

 そう話すと質問者は「なるほど、そう言われればふつうですね」とわかってくれました。

 疑問に対してこうやって直接話してくれると、お互いに考えていることを話せるし擦り合わせられるのですが、これこそがコミュニケーションですよね。

 最近はネット上・本人の知らないところでその人のこと・そのことをとやかく言うようですが、会って話せば済むこと・深まることも歪んでくるでしょうね。もったいない限りです。
 子どもたちの間でも、いわゆる「いじめ」にネットが使われるようですが、大人がしているんだから子どももしますよね。

追伸

 北海道の介護職やケアマネ、介護事業経営者で組んでいる「カッパーズ」というバンドのことは何度か紹介していますが、2年前、ライブを前に「初めてのオリジナル曲を演ろう」ということになり、僕の手元に曲が数曲送られてきました。作曲したのは、グループホーム管理者をやっているギタリストです。
 送られてきた曲に詩をつけるため、何度も聞き返しイメージしたのですが、乏しい僕の中で描けたのは「怪獣」を題材にした詩だけでした。

♪ 氷の中から   蘇ってきた 原子怪獣 ゴジラ
♪ マグマの中から 蘇ってきた 空飛怪獣 ラドン

 そこに「モスラ」と「金星怪獣キングギドラ」が登場する詩です。

 楽曲名は「怪獣 ~強みを生かせ~」。

 この詩の素は、子どものころに見た怪獣映画「地球最大の決戦」です。若い人にはまったくわかりようのない歌詞で、ライブに来て聞いてくれる人に申し訳ないなと思っていたのですが、なんと!この映画のリメイク版がハリウッドで製作され、五月に国内上映開始となったから驚きです。

写真

 昭和の名物が又ひとつ消えます。
 あじさい電車で有名な箱根登山鉄道の100形という電車が7月19日で勤めを終えます。


 マニアックな話で恐縮ですが「つりかけ式」という特殊な構造をした電車で、元々メンテナンスが大変な上に古くなってきたということでしょう。新型にとって代わられてしまうということです。

 先日仕事で箱根に行くと、箱根湯本駅に入ってきた僕が乗車する電車が100形でした。もう、嬉しくて嬉しくて終点強羅駅まで目も耳もフル動員で100形を堪能しました。

 箱根に行かれる方は是非、100形を見おさめてきてください。走行音も味がありますよ。そろそろあじさいも満開でしょうからね。

 東北大震災後はご覧のように「がんばろう日本」ステッカーを貼って人々を励ましてくれました。


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