和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
進みたい・勧めたい職業へ
高校生たちと話をしたり・話を聞く機会をいただき、そのたびにいつも関心を寄せているのは、17歳18歳で「介護の仕事に就きたいって思えるのはなんでなんやろ」ってことですが、僕が聞いている限り「その理由」で多いのは、「おじいちゃん・おばあちゃん」か「病気やけがの体験」です。
ということは、核家族化で「おじいちゃん・おばあちゃん」との時間が日常的になくなってきているこの国では、「その理由」そのものがなくなるということで、そう考えれば介護系の学校」が次々と閉校・閉科するのも無理からぬことです。
しかも自分の親に、その親(祖父母)の介護でつらい思いをした体験があれば、子である自分を介護にやりたくないと思うのも無理からぬことで、悪循環社会ともいえます。
そう考えると、僕らが要介護状態にある人たちにかかわることで、要介護状態にある人とその家族が、生き生きできた実感をもってもらえるような仕事をしていかないと、「勧めたい職業」にはならないでしょう。
この国の悪循環を絶てるのは、いま介護を職業にしている僕らですが、その僕らに努力しろと言うだけではダメ。
僕らにとって「やり甲斐(やり我意ではないですよ)」を感じて仕事ができる環境が必要で、その環境づくりに向けた国家的施策が必要です。
来年の消費税増税を決めた現内閣は、介護にお金を回すことを明言し、その「お金の使い方論議」がスタートしました。
僕らは直接的に参画できませんが、みんなで注目していくことならできます。
おかしなことにならないように、多くの“目力”を注ごう!
写真
先日島根県に招かれクルマででかけましたが、何と帰路の高速道路が事故で「ある区間通行止め」の表示が出ました。
とにかく遠回りでも結果時間が余分にかかっても車が動かないのは避けたい僕なのと、美しいと思える光景に出会うと吸い込まれるように向かう僕ですが、それを見透かしたように秋晴れの夕焼けの時間帯が重なり、山越えルートへ舵を切りました。
その山とは大山で、大山は紅葉の名所、その紅葉が真っ盛りでした。
20歳代の頃所属した山岳部では、秋の大山登山は恒例だったので見慣れた光景なのですが、何度見ても美しい!大山の紅葉は。
と言いつつ、写真はススキですがね。