和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
ステキな「勝手に集まってる会」
各地に介護職たちが自主的に集まって「会」をつくり、自分たちが納得できる活動をしている。
これまでも全国各地のこうした「ゲリラの会」にお招きいただき、ブログでも書かせてもらっているが、どこに行っても頭が下がるばかり。
先日、北九州を拠点に活動している「会」の10周年記念催しにお邪魔させてもらったが、10年間もよくやれるなぁと感心した。
しかもその催しには、佐賀県や長崎県、はたまた島根県からも参加していてネットワークしているところが、これまたステキ。
そもそものきっかけは、いろいろな研修会で知り合いになった者たちが、どうもいろいろ参加する研修に「物足りなさ」を感じ合っていて、それなら「いっそのこと自分たちで企画してやろう!」って感じでスタートしたようだが、そういうエネルギーに満ち溢れているのも「介護業界従事者」の特徴かもしれない。
いろんな業界があり他を知らない僕が安直なことは言えないが、経営者レベルの「会」は良く耳にする。でも、従事者が法人の枠を超えて自主的に会をつくり、自らの研鑽のため・同業仲間のために行動している人が全国各地に存在している業界は珍しいのでは。
それに対するいろいろな見解はあるにせよ、僕は同業者として誇らしく思う。
僕自身は「他者と強調して行動すること」がとても苦手であり、ひとところに腰を据えて住まい・働き、いわゆる「地域活動」なるものを取り組んだ経験がないだけに、「羨ましく思う」ところもある。
余談ですが、住んでいる町内の「公園清掃活動」に、自宅に居れば必ず参加しますが、参加している町内の人たちに自ら和気あいあいと接触できず、もくもくとひたすら「他の誰よりも多く質の高い草むしりをしよう!」と自らに課題を課して、大好きな草むしりに没頭している僕ですからね。接触を避けている証!ハハハ
とにかく元気さを感じる「会」で、とかく暗くなりがちな介護業界にあって、ここへ出て、この人たちと会って語り合えば、なんとなくでも「明日から又、やるか!」って気になる雰囲気をたっぷりもっている。
中心メンバーは30歳代。
不器用そうだけど骨のある奴、けったいな奴、華のあるお姉ちゃん、そっと見守る年輩者。ほんといろいろな人たちが集っていて、その「会」が日ごろどんなことをしているのか全く知らないが、理屈抜きに「面白いなぁ」って思えた。
これまでの10年の上に立ってこれからの10年。
メンバーの中心が30歳代を考えれば、これまでの10年が「膿みだす」だとしたら、これからの10年は「産み出す」かな。
旧い価値観をぶち壊して新しい価値観を創造できる会になって、全国の仲間に発信していったら、また違った楽しみにつながるのではと勝手に期待した。
いつか「介護業界 にっほん勝手に集まってる会 全国集会」なっていうのをやってくれないかね。楽しそうやん。
僕は他力本願で、いつか開かれるのをお待ちしております。スポンサー集めくらいは協力できるかな。ハハハ
追伸
今朝のことですが、宿泊している宿の火災報知機が鳴り、その直後に「確認します」とアナウンスが流れ、その後に「非難してください」と呼びかけのアナウンスが流れました。
僕は最初の警報機が鳴り「確認します」という時点で着替えと荷造りをしながら窓の外の広いベランダを確認し、「非難してください」の呼びかけで、ベランダではなく廊下に出ました。
僕の部屋は三階で建物内廊下の真横、火災場所は1階だと告げていましたので、高所に逃げるのではなく廊下から避難することを判断してのことですが、廊下に出た時点で「誤動作でした」とアナウンスが流れました。
その時に抱いたことは、その時点(朝7時頃)で3階フロア―に何組の客がいたかは「?」ですが、避難行動をとって廊下に出たのは僕だけで、僕が部屋に戻りかけた時に別のお客さんが寝巻のままドアを開けて廊下内の様子を見ているだけ。「うちの施設も平和ボケしてないかな」という危機感でした。
過剰に反応する必要はないですが「本物」だってあるわけで、そもそもそれに備えた警報機が動作しているわけですから、それに反応しないのは、どう考えても「筋が通ってない」ですよね。
皆さんもご一考を!
写真
我が愛車のように旧い英国車では、写真のように車体外板に木枠をつけて豪華さを出す手法がとられていました。
僕のクルマは50年前のものですし、傷みやすい木枠ですから取り換えたり・塗装し直したりはしていたでしょうが、雨の日に乗ると木枠が水を吸い込んで真っ黒になるほど、保護する塗料がへたっていました。
僕の自宅前に「塗装屋」さんがあり、ほとんどご近所づきあいのない僕に車のことで声をかけてくださるご主人です。
その日は「自宅で原稿書きをしよう!」と決めていたのですが、何かの拍子に車のことで声をかけていただけたので、「この木枠を保護する方法は何がいいですかね」と気楽に相談したところ、何とまぁ「これを、こう使うといい」と道具も材料も準備して持参くださったんです。
全く予定していなかったのですが、ご主人の気持ちを無にはできないので予定を変更して「塗装屋モドキ」に変身し、取り組みました。
その出来栄えはどうあれ、本文で書いたとおり、自らなかなか近づいていけない僕にとっては「貴重なご近所づきあい」をさせていただけたわけで、そのとりもちをしてくれた「車」と「痛んでいた木枠の塗装」に感謝です。
僕が思うオールドカーのステキなところは、車のオーナーの意思にかかわらず周りの人が近づいてきてくれるってことで、おかげさまで、仲良くなれました。