和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
注文をまちがえる料理店
NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~出演」から五年経ちましたが、その間に、その時に出会ったディレクターとしたためてきた「注文をまちがえる料理店構想」が、すばらしい人たちとの出会いで現実のものとなりました。
撮影中のある日、グループホームで暮らす婆さんたちが話し合って決めた献立はハンバーグで、婆さん自身が職員と一緒に材料を買い出しに行き、職員も交えて皆さんで調理し、出来上がったものは餃子ということがありました。
ディレクターは「ハンバーグじゃなかったの」と思いながらも「材料は同じか」とふと気づき、「それでもいいじゃん」と思えなかった自分に気づき、そんな話で盛り上がったのが、この取り組みのスタートでした。
ディレクターが協力者=仲間を募るためにこの取り組みの話をして回り、共感してくださった方々が手弁当で集まってくれているのですが、いずれも「その世界・その道で追求し結果を出している方たち」なので、一緒にさせていただいていて驚くことばかりです。
写真のロゴもそのひとつで、打ち合わせ当初からすでに発案されていたのですが、僕らにしたらすべてを表してくれているロゴですものね。
この集まりの最初の頃に、ある方が、□バーガー社は高齢者雇用に力を入れていると知っていて、そこに買いに行ったときのこと、自分が頼んだバーガーは「チリ○バーガー」だったが出てきたバーガーは「○バーガー」で、チリが抜けていた。
そこである意味普通に「あのォ、チリが抜けているんですけど」と言ったものの、そのあとで「別にチリが抜けていてもどってことない話なのに、それを高齢者雇用に力を入れて取り組んでいる社や従業員だとわかって買いに来ているにもかかわらず、モノ言うか」と自分に対して思ったそうです。
僕もこの方の話を聞きながら思い当たりました。
高齢ドライバーに推奨されている“もみじマーク”が付いている車の後ろではそれを受け止めてノロノロ走れるのですが、あるとき、もみじマークが付いていないクルマがもたもた走っていたので、イラついて追い越しをかけたんです。
追い抜くときに運転手をチラッと横目で見たら、結構な年齢であろう方がハンドルに張り付くようにして運転していたんですね。
「あかんな俺、言っていることとやっていることが追い付けてないわ」って自責の念にかられたことを思い出しました。
総人口の3人にひとりが高齢者、15人にひとりが認知症の状態になると予測されている時代にあって、これまでどおりの社会の在り様では対応できないことは目に見ています。
僕は著書の中で「認知症対応型国家日本」を提唱していますが、この取り組みも僕の中ではその延長線上で、そのシンボルとして「注文をまちがえる店ではなく、まちがえることがあっても勘弁してねと謳った料理店」ということです。
僕自身今までの介護職を通じての追求も、この取り組みに対しても、「まぁ、いいか・しょうがないわな」と寛容できる社会で留まらせるのではなく、「のろのろも逆にのんびりしていて景色がよく見えていいわ」と、それさえも己の豊かさにつなげていける社会・人々の姿を描いて挑んでいます。
今回は関係者のみにご案内したプレオープン二日間でしたが、場所も料理も一流どころの飲食屋さんが数社コラボレーションして提供してくださいましたので、来てくださった方々の満足度は高いものとなりました。
この二日間をしっかり分析して、秋にもう一段上がった取り組みへとつなげ、僕とボスは、その先に常設店開店を見据えていきます。
秋には是非とも、お訪ねください。
ネットに取材に来てくれた方々が記事をアップしてくださっています。「注文をまちがえる料理店」で検索すれば出てきますよ。
眺めてみてください。
ちなみにアップされている写真にピアノを弾いているご夫妻が紹介されていますが、ピアニストの女性は、うちの職員さんで、今回この店で働いてくださった認知症の状態にある方々は、うちの介護事業所の利用者・入居者さんです。
ご本人はもとよりご家族の皆さん、本当にありがとうございました。秋の本番まで元気に生きていきましょうね。
なおこの度の運営資金は、内々の企業協賛と個人カンパで賄いましたが、僕の関係社・関係者でご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。
おかげさまで働いてくださった婆さんに最低賃金程度ですが、お渡しすることができました。
首都高逆走!ついに僕も・・・
あろうことに首都高速道路を逆走してしまいました。
逆走と言っても反対車線を走ったわけではなく、バック走なんですがね。
高速道路上の○方面と□方面の分岐を過ぎてしばらく走ったら、パタッと車が動かない大渋滞になりました。
ホント全く動かないので、知らず知らずのうちにウトウトしてしまったのですが、窓をコンコン叩く音で目が覚めました。
「なんや」と一瞬思いましたが、目の前に立っているのはおまわりさん。
「あれま、やらかしたかな」と思ったら「故障車で復旧の目途が立たないので分岐までバックして迂回してください」と言われ、目が醒めました。
写真はそのときのものですが、好き勝手にバック走しているわけではなく、警察官の誘導で逆走しているんです。
もう随分前のこと、目が覚めたら東京が大雪に見舞われたのですが、「よし」と思って飛び起き、車にチェーンをつけて首都高へ突入。
入った直後に首都高が封鎖となり、高速道路上にまったく車がいないという「実に楽しい、とんでもない状況」となりました(予測していましたがね)。
もう時効なので許してもらえると思いますが、このたびのバック走は、レインボーブリッジの上で車を止めて雪合戦をした時以来の興奮を覚えました。