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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

ゆっくりしようよ


 今週の僕は「書けない僕」でした。
 何が書けないって?
 ブログの記事が書けなかったのですが、僕にとって「書けない」は「描けない」ということですが、その理由は「ゴールデンウイーク」という事にしておいてください。実のところ僕にも「?」なんです。

 僕は、他人から見てどう思うかは「?」として、自分としては「回遊魚のような生き方だなぁ」って、先月訪ねた葛西臨海水族館のマグロ飼育担当者の説明を聞いて思いました。

 とにかくじっとしていられないタイプですね。

 まずは「寝るのがもったいない」と思うタイプで、「これ」をしている最中に別の「あれ」をし始めるし、そうかといって「これ」は止めるわけではなく同時並行的に3つ4つのことをするから、周りから見ればぐっちゃぐちゃになります。

 例えば、倉庫に棚を作り始め、作っている最中に壊れているモノを見つけるとそれの修理にとりかかり、修理の最中に道具探しで「道具置き場がまずい」と思い出すと、修理作業を止めて道具置き場の整理をし始め、道具を整理している最中にある道具が目に留まり「そうだベランダのこれをこうしておこう」と思い始めると、棚づくり・壊れ物修理・道具置き場の整理を中途半端なままにして「ベランダのこれ」に着手し、その途中で「そうかぁ!」と閃いたらパソコンの前に陣取って原稿を書き始め、息詰まってひと息ついている間に棚に対して思う事が出てきて再び棚づくりに戻る。

 そうこうしているうちに「珈琲が飲みたいなぁ」と思い立って珈琲豆が切れていたら、あれもこれもそれもすべてをほかって豆の買い出しに出かけて行ってまで飲み、珈琲を飲みながら仕事のことで思うことが出てくると、ほかったままそちらをし始めるって感じなんで、しばらくの間家の中は「ぐっちゃぐちゃのまんま」となります。

 ただし、そういう時の珈琲は別物で、珈琲豆の買い出し中に他のことが思い描かれても優先順位は不動。「まずは珈琲」なんですよね。
   ほんと、毎日自分に言い聞かせたい「ゆっくりしようよ」って。

追伸

 12年前にスタートした「認知症サポーター養成」ですが、この取り組みが日本だけでなく11か国で始まっていると、先日京都で開催された国際アルツハイマー病協会国際会議で報告されたことが新聞報道されていました。

 報道によると、日本で「サポーター養成講座」を受講した人は883万人に達しているそうですが、英国アルツハイマー協会が日本のサポーター制度を参考に発足させた「ディメンシア(認知症)フレンド制度」は196万人が修了、その他カナダ・ドイツ・ナイジェリア・中国・米国・デンマーク・オランダ・インドネシア・韓国で行われ、世界中に1200万人もいるそうです。

 4年前に開催された「主要八か国認知症サミット」を機に「フレンド制度」が拡大し、WHO(世界保健機関)の会合では、途上国も含め、国を越えて取り組みを進めていくことで一致。
 クロアチア・イスラエル・モーリシャス・ポルトガルなどでも準備をしているようです。

 この勢いで「戦争をしないフレンド制度」まで展開し、「認知症の人にやさしい社会」で留まらず、「どんな人にも優しい社会」を人類の英知として目指したいものですね。
 とりあえず、おとなり朝鮮半島が静まっていて何より。不気味ですがね。

写真

 歩いていると、ふと足を止めたくなるコトに出会いますよね。
 歩くスピードだと情報収集の量と質が違います。歩くことって大事ですね。