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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

緊張


 僕は元来、ものすごい緊張症。
 小学校の頃、転校するたびにみんなの前で挨拶するのが嫌で嫌でたまらなかった。赤ら顔で手に汗びっしょりかきながら、心臓はバクンバクン。

 ましてや人前で歌ったり踊ったりと何かを披露するなんていうのは、学芸会で縦笛をみんなで吹くことさえ、指が緊張して思うように動かせず、音が遅れる、押さえるところを間違えてしまってばかり。
 平素は、自分で言うのもなんだが、それなりに上手にできることも、人前でとなると緊張してからっきしダメ。

 学生の頃やっていた陸上競技も然りで、練習ではいいタイムを出せても、緊張ガチガチ状態で身体が動くはずもなく、本番ではからっきしダメ。

 そんな僕も今じゃ、人前で話すことはもとより、歌をうたう、踊る、演技をするって風だから誰にも信じてもらえないのだが、今でも何をするにも人前でするときは、緊張しまくりなのだ。

 写真は、先日苫小牧で演らせていただいたトークライブだが、舞台袖で出番待ちをしている僕である。
 恵庭の仲間が知らぬ間に撮ってくれたのだが、僕の「素」がそのまんま撮れている写真で、だいたいはこんな感じで、ガチンガチンなのだ。

 そんな僕も舞台の上に立つと勝手に開き直りスイッチが作動するから、自分でも「びっくりポン」。


 ちなみにこの日のグラサンは「ふつうのメガネ」をホテルに置き忘れ、歌詞カードを見るためにやむなくかけていたもので照れ隠しではない。
 でもバンドのメンバーが「かっこいい」って言ってくれたから、次回もホテルに置き忘れる努力をしようかなと思っている。ハハハ

 一見しただけでは、外から見ているだけではわからない・見えないその人の「素」。
 それを垣間見逃すことなく、わかろうとする・見ようとする姿勢を備えていなきゃいけないのが介護職であり、介護職の専門性。
 もちろんこの写真を撮ってくれたのもグループホーム管理者・介護職である。

 大きく深呼吸をしても、手のひらに「の」の字を書いても、それをのみ込んでもおさまりはしない「緊張」。
 もはやこいつと付き合って55年以上にはなるはずだが、きっと死ぬまで付き合うしかないのだろう。


 次回トークライブは、8月25日仙台。
 北海道のバンド「カッパーズ」と共に行かせていただくので、よろしく! 僕の緊張ぶりを見に来てや。

追伸

 インフルエンザに撃沈させられ、怒涛の忙しさだった三月が終わり、まもなく四月、新年度ですね。
 新規卒業者だけでなく、異動や再就職など現役にとっても「張る」シーズンですが、つい羽目を外したくなるシーズンでもあります。
 くれぐれも御身体に気をつけて「春」の到来を堪能してください。
 まだまだ僕のブログは続けてもいいそうなんで、また来年度もよろしくです。