和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
おかげさまで「至福のとき」
今年も早いもので11日目。
残すところ355日となりましたが、例年と違って1日多いですもんね。経営者にとっては「ありがたき2月29日」です。
皆さんにとって年末年始はいかがでしたか。
今年は全国的なのかどうかは「?」ですが、名古屋は気持ち悪いほどあったかいお正月でした。
僕の年末年始は、ずっと「片づけ」
昨年8月に引っ越しをしたのですが、しばらくは住むことさえできず放置。10月頃より何とか住めるようにはなりましたが、ぐちゃぐちゃ。その整理です。
久々に「素人大工しごと」をしたため筋肉疲労に筋肉痛でぐったり。でも爽快ですね。
人ってやっぱり好きなことを夢中になって取り組んでいるときが至福のときなんでしょうかね。
その意味で「婆さん」(認知症という状態になった人たちの総称として使わせていただいています)というのは、僕にとって「至福のとき」を与えてくれた、めっちゃありがたい存在です。
婆さんがいなければ、今お付き合いさせていただいている人、出会った人のほとんどは未だに出会うことができなかったであろう人たちです。
婆さんがいなければ、今の僕の思考には至れなかったでしょうし、至れなければ今の僕はあり得ません。
でも逆に婆さんに出会っていなければ、もっと別の業界でその業界の人たちや、違った出来事と出会うことができ、今よりももっと「至福の時」を感じていたかもしれないですね。
そう欲張りに考えるのも「あり」なんでしょうが、そう思った時点で「今を至福のとき」とは言えないってことですから、「至福のとき」って言えるのは、満足感の極み状態なんでしょうね。
その「ありがたき存在である婆さん」を無下に扱う連中がいることも2015年は話題になりました。
婆さんに「おかげさまで」を感じていれば絶対に起こらないであろうことが、ごく身近なところでも起こりますが、許されることではないにしろ、それもひと(人間)であればこそ起こすこと。
人の可能性って「誰かにとってのプラスもマイナス」も同じ可能性ですからね。
他人様はどうあれ僕自身は、婆さんに「おかげさまで」を忘れず、「“婆さんズ解放運動”を追求し続ける戦士であろう」と年頭にあたり改めて己と確認し合い、近所の神社にお参りさせていただき、神様に誓約してきました。
今年もよろしく!!
追伸
ガンとつき合い始めた若き友人から「初日の出 御来光を」と、ツルッピン頭の写真が贈られてきました。
僕も半年間かけて体重の1割にあたる7キロ弱の減量を行ったのですが、痩せて出演したテレビを見た友人たちから「痩せたね、大丈夫」っていうメールが相次ぎ、糖尿病の主治医殿からは「癌の疑いを消すためにドック入り」を勧められ、やむなく師走に入ったのですが、前日からお腹の調子が悪くなっていることが原因で延期。
連れ合いから「上から下から突っ込まれるのが怖かったんでしょうね」って微笑みを投げかけられ癒される始末。
そうこうしているうちに年末年始となり「食いたい欲」がメラメラ起き上がり、またまた太ってきたのですが、連れ合いから「ということは、ガンは大丈夫そうね」って微笑みを投げかけられたお正月でした。
皆さんも、くれぐれもお体に注意してくださいね。と言いながら先日も『初呑宮詣』で6時まで呑んでおりましたが…ね。
写真
新名神高速道路のあるサービスエリア(SA)ですが、SAにドッグラン、公園が整備されるなど、各地の高速道路SAが様変わりしてきましたが、とても良いこと。
この勢いで「乳児が這い這いできる乳児ラン」「年寄りが足を伸ばせる和室様」のスペースをつくってくださいませ。よろしく!!
一年生のちびっこ、初めて二泊三日の一人旅に出ました。
行先地は北海道旭川。今は便利な時代で、予め手続きをしておくと、搭乗口で航空会社の係の方が付き添ってくれて、到着地で迎えの者(予め登録が必要であり証で確認するセキュリティシステム)に引き渡してもらえます(全日空では「ANA国内線キッズらくのりサービス」と言います)。
機内でも、あれこれ支援してくださるだけでなく、到着したら操縦室まで見学させてもらえたようで、ちびっこ曰く「楽しかった」と。
こういった「仕組み」があるおかげで、ちびっこにとっても親にとっても、会いたいと思ってくれる先方の方にとっても、「簡単に叶うこと」と相成ってるわけですからね。
これぞ「自立支援」、ありがたいことです。