和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
2015ラスト 勇気・希望・野望
人間には病巣がくっつくが、僕の大事な若き友人にガンがくっついた。こんな時にいつも気づかされるのが、かける言葉を持ち合わせていない自分の情けなさである。
正直、どんな言葉をかけたらいいかよくわからないのだ。
そのひとつの理由が「なってもうたもんはしょうがないやん」っていうのが僕の根っこにあって、それをそのまま言えないから言葉が浮かばない、というより何をどんな風に語ろうが「しょうがないやん」以上の言葉にはできず、どうにも腑に落ちないからだ。
それでもできるだけ「しょうがないやん」に近いところで言葉をかけるのだが、僕のいい加減さを見透かされるように、僕のほうが励まされる言葉しか返ってこない。
いざ治療に入ってみるとなかなか困難な敵でしたね。
でも仲間のみんなが支えてくれている!
仲間が分かち合える人の心のぬくもりと優しさを俺に分けてくれて「祈り」「願い」を届けてくれるから、俺は勇気と希望と野望を抱き着々と完全復活へ向かってます!
自分がガンを告知されたとき、こんな風に思えるのか・言えるのかどうか自分に対して疑念を抱くが、友人のガンを知って、かける言葉であたふたした挙句返ってきたメールがこれだから、ホント自分が情けなくなるわ。
自分自身が年を重ねるってことは周りの連中も同じように年を重ねていくのだが、それだけに「死で姿がなくなる」を頂点に「生死をさまよう」など、いろんな悲喜こもごもの景色が見える確率が高くなってきた。
それでも、それはそれで生きてきた結果だから起こった今になって何をどう考えても「しょうがない」ことで、大事なことは、これから先をどうするかだし、周りで起こるしょうがない事柄から、自分がこの先どう生きるかを考えることが、それを聞いた自分の、取り急ぎの御還しかなと。
物事を恐れない強い心(勇気)で以って、こうしたい・こうありたいと思う望み(希望)、それも分不相応とも思える大きな望み(野望)を抱いて生きようとする友人。
その周りの一員でいられることを誇りに思えるメッセージ。
ありがとね。
2016年、僕の楽しみができた。
完全復活、待ってるからね。
追伸
2015年、今年もブログを読んでくださって、ありがとうございました。
このブログは、元締めから締め出されるか、皆さんから飽きられるか、そのどちらかでない限りは続けさせていただこうと思っています。
今のところ、2016年新年のご挨拶でお会いできそうです。こんな僕ですが、よかったらお付き合いください。
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森永のアイスクリーム「ピノ」(大好物)に「星形のアイス」が入っているのをご存知でしょうか。
これは「願いのピノ」と言われているもので、先日買ったら入ってました。(ひと粒だけでしたが)
きっと友人の「望み=願い」が僕のピノに先に表れたんでしょうが即、食っちゃいました。