和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
何事も「適」
ある会合で、AさんとBさんがいるのに、Aさんのことを「Bさん」と呼び続ける友さん(仮名)。
友さんは50歳には手が届かない若さなのだが、ここ最近「もの忘れ」が目立つ。もの忘ればかりか、4つのことを文章で質問しているのに2つしか回答を返さないなど「抜け」も目立つ。
周りが声をかけても、おそらく本人的には気づけていないし、気づいていたとしても「忙しい」とか「あれこれあり過ぎるから」に理由を落とし込むため話が先にいかないようだが、僕は「糖質が少なすぎる」のではないかと見立てている。
友さんはダイエットしているのかどうかはわからないが細身で、格好を気にはしている人だから、気になるのは「食事」だ。
友さんを取り巻く人たちの話から聞こえてくるのは、いつも昼飯など主食で食っているのは「お菓子」で「菓子パン1個」なら食っているほうかもしれないと。
本人は「食べているから大丈夫」なんて言っているようだが、明らかに炭水化物が少な過ぎると僕は思っている。
僕は専門家ではないが「糖質」は脳の栄養源で、砂糖のような単糖類だと滞在時間が短く「摂っている」とはなりにくいため、多糖類を摂ることが大事なのだが、それが炭水化物だと学んだことがある(記憶が間違っていなければ…)。
エサ(糖質)も与えないで「しっかりしごとをしろ!」なんて虫のいい話で、もの忘れなどの現象は、脳がご主人様に警告を欲している状態なのではないだろうか。
素人判断で申し訳ない話だが、大事な友さんには「バリバリの働き盛りを元気でいてもらいたい」ので「生活を改善してもらいたい」と切に願っているが、ダイレクトに伝えるには遠すぎるし反発したくもなるだろうから、必ず読んでくれているこのブログに書かせてもらった。
かく言う僕は、逆に糖質を抑えて体重を減らしたのだが、僕の場合は、体重が減ると頬肉が落ちるのが顕著なので「やつれた感」がぐっと出る。
そのタイミングでNHKの番組に出たものだから、それを見た友人たちから「痩せたけど、大丈夫?」と声をかけられたりメールをくれるもんだから、ありがたいことだが「?」を打ち消すのにひと手間。
糖尿病の主治医からは「癌の疑いを消すために、60歳だし人間ドックを受けましょう」と言われ「脳ドックも含めてフルメニューで受けましょうね」と、注射は怖いし内視鏡を飲むことが大嫌いな僕にとっては突き落とされた気分。
ちなみに先日、別友さん(仮名)と飲みに出かけたとき、大好きなウイスキーはラッパ飲みしていたようだが(記憶なし!!)。
何でもそうだが「適」というのがあり「過ぎるは毒」ということだが、「過ぎる欲は身を成すこともある」と、いとも簡単に「適」を敵に回す自分のことが大好きだから、我と付き合うのは大変である。
写真
弘前城公園の銀杏。美し過ぎて見とれました。
弘前に行ったときはぜひ、すり鉢で珈琲豆をするところから飲む古に浸れる「藩士の珈琲」を!