和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
人と人の交わりの可笑し味
ある自動車メーカーの「ホーミー」という車。沖縄ではさっぱり売れなかったそうだが、その理由は「車名」だったとか。
というのも「ホーミー」とは沖縄では「女性器」のことだそうで、恥ずかしくて乗れないと(笑)。
方言はその土地々の文化。
ひとが環境(自然)を取り込んで生み出すのが文化だとしたら、沖縄には沖縄の、沖縄の中でも地域ごとに違いも生まれる。
人と人が交流することで「文化と文化」も擦り合っていったのだろうが、あっちの地域で使っていた言葉の意味とこっちの地域で使っている言葉の意味を合わせてみてはじめてわかる可笑しみである。
那覇には「まんこ公園」という公園があり、その公園近くの学校の校歌は「♪まんこの丘にいろはえて…」と歌うそうだ。
ちなみに「まんこ」も本土では女性器のこと。
また、かの有名なアイドル歌手の歌には「ホーミー、あなたの…」という歌詞もあるが、カラオケで歌うにはハードルが高いとか(笑)。
沖縄に行くたびに「方言」の奥ゆかしさ・可笑しさを感じるのは、僕だけではないだろうが、地元に友人・知人が増えれば増えるほど、奥が深くなり味わいが出る。
東京で仕事をし始めたころ、デイサービスの送迎車中で、利用者が首に巻いていた「えりまき」を指して、「よねさん(仮名)、これぬくいかい」って聞いたら、「いいえ、これはキツネですよ」って答えられた。
関西で言う「ぬくい」は「あったかい」なので、「これはあったかいですか」って聞いたのが、東京人のよねさんにとって「ぬくい」は動物名に思えたんやろね。
こうした文化の象徴「言葉」が、画一化されていくことに僕は反対だが、その土地々に生きる人々によって生まれ育まれてきた方言を、どうにかして護っていけないものかね。
ちなみにうちのちびっこたちは、石垣島出身で島を中心に活動している「きいやま商店」というグループの、方言が散りばめられた歌が大好きである。
写真
那覇の街並みを彩る街路樹。
よく見ると、半分は葉っぱのままで半分にピンクの花が。
前日の北海道が5度で翌々日の沖縄は29度。日本は広いね!