和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
ムラムラ 大川村
介護福祉士会の集まりにお招きいただき、高知県に行ってきた。
高知県といえば坂本竜馬であるが、実は僕の生まれ故郷でもある。
生まれ故郷ということもあって、つい熱が入り過ぎて、受講してくれた人たちには「?」の内容になったかもしれないが、僕にとってはステキな会となった。
僕が生まれたのは、愛媛県との県境、四国山地の真っただ中に位置する土佐郡大川村。
村は、1970年代の終わり頃に建設された日本最大級の早明浦ダムによって自治体として消滅したと思い込んでいたが、今でもしっかり大川村として存在していたのだ(大川村の皆さん、すみません)。
その会の冒頭で「高知県出身、大川村生まれです」と自己紹介したら、会が終わってから「和田さん、わたし、大川村なんです」とわざわざ会いに来てくれた若い方がいたが、大川村生まれの大川村育ち、今もそこに住んでホームヘルパーの仕事をしているというので、超ビックリ!!
ちなみに自宅に戻ってから大川村を調べてみると、ダムができる前は4000人住んでいた村も、ダム建設後は多くの集落が水没してしまい、一気に500名まで減少し、現在は400人を割り込んだそうだ。
僕が高知市内に出た頃にはダム建設の話が出ていたようなので、そんなことも村を出た理由だったのかもしれない。
また知る人ぞ知るって感じだろうが、大川黒牛という幻の牛肉の飼育地だということも知った。
何でも「日本一を目指せ」という人がいるが、大川村は離島を除いて日本一人口の少ない自治体で、人口密度は全自治体1741中1729番目、1キロ㎡あたり4.3人(ちなみに一番低いのは福島県桧枝岐村1.6人、高いのは東京豊島区約2万2000人)とあった。
高齢化率は、僕的には意外に低く44%だそうだ。
そんな小さな生まれ故郷の村で、社会福祉協議会の介護福祉士として村民生活を支えるために尽力している人がいるということを知り、しかもその人が会費を払って介護福祉士会に所属し、自分を高めるために、社会的な意味をもって行動するためにお金をつかっていて、理由はどうあれ僕の前に立っているのかと思うと感慨無量であり、また、学ぼうともせず、学ぶためにお金を使っていない自分が恥ずかしくなった。
僕の話なんかよりもよほど、この方の話を会員の皆さん(高知県のみならず)に聞いてもらうほうが意味あるのではないかと思ったほど、僕自身は衰退一路・目に見えて人がいなくなっている大川村での「介護・介護職」に興味をもった。
恥ずかしながら、自分が生れた村が今現在どうなっているかなんて、さほど関心もなく過ごしてきたが、村々っと尋ねてみたい欲が沸いてきたので、さっそくどなたかを連れて6月11日に出かけようと思う。
釣れてくれるのは社協の彼かなぁ…。
写真
高速道路のサービスエリア(SA)が変わってきた。
温泉があるSA、遊歩道のあるSA、子ども用の遊具が供えられたSA、生演奏のコンサートが聞けるSA、ドッグランが備わったSAと、いつの頃からか変わってきたが、ずっと思うのは、歩けない幼子が窮屈な車中から解放されて思い切り身体を動かせる空間が表れないかと。
そんな折、やっと見つけたのが、これである。
写真が見づらくて申し訳ないが、よくショッピングセンターなどで見かけるマットを敷き詰めた空間が、徳島自動車道のSAに表れたのだ。
子どもがキーワードの国である。全国各地にどんどん広がってもらいたいが、疑問なのは「有料」。
なんで犬の健康スペース(ドッグラン)が無料なのに、キッズランは有料やねん。ほんまおかしい。食いものなんか付けなくてもいいから、スペースをつくってもらいたい。
あわせて言えば、高齢大国なのに、高齢者健康スペースもほとんどない。どこかのSAに和室休憩スペースがあったが、和室なら乳幼児でも高齢者でもOK。
車中から休憩場所まで座位ばかりでは、不健康そのもの。
ただでさえ車中は不健康空間だが、ぜひとも2か所にひとつのSA(ほぼ100キロごと)に、全年齢型無料健康スペースを充実させてもらいたい。