和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
誇りは看板
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写真をじっくりごらんいただきたい。
認知症という状態にある人や身体に障がいをもっている人に対して「何度言ったらわかるの」とまでは言わないまでも「さっきも言ったでしょ」なんて言う人はけっこういるのではないか。
僕の身近にもいると聞いている。
それが家族=素人なら「しょうがないかな」って思えても、それが「介護で飯食ってる職員」となると話は別である。
介護で飯食ってる連中は、一面の写真をじっくりご覧いただき、自問自答を!
追伸
先日パン屋で、定価220円・3割引きのパン、1個100円ひと袋3個入りパンを2セット買ってレジへ。
支払いを終えて引き上げるときに、何となく支払った額とパンの量に違和感をもち、改めてレシートを見ると、1個100円ひと袋3個入りパン1セットの値段を、間違えて1個分100円しかとってなかったのだ。
ここからがブログの所以。
僕の中にいる僕が「このままもらっとけ。間違えた奴が悪いんや」とささやいてくれば、また別の僕が「レジの人が可哀そうやから戻って払ってやれ」とささやき、またまた別の僕が「レジで間違えたんやからこのまま持ち帰るでって言って持ち帰れ」、他にも出てきて「レジの人は気づいていてお前のことを観察してるんとちゃうか」とささやく。
金額にして216円。
どれだけの時間を費やしたか覚えもないが、お金を払いに戻り、レジの人から「ありがとうございました」ってお礼をたんまり言ってもらい、善良な市民気分を味わさせてもらったが、後からまた「もらっときゃよかったのに」とささやく自分と付き合うのは、けっこう面倒である。
216円のことだが、お金の額やお金の問題だけでなく、どんなことに対しても同じことをし続けて生きている僕である。ホントくたびれるわ。