和田行男の婆さんとともに
「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。
- プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)
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高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。
当たり前の価値
日常は当たり前ではない
戦時下の前橋空襲を後世に伝えるミュージカルで伝えられた言葉です。
各地で被害をもたらした大震災の時も、被災された方々は口々に「当たり前にあった普通の暮らしが大事なことだと思い知った」と言ってらっしゃいましたが、ウクライナ国民も、マウイ島島民も、今、同じ思いではないでしょうか。
日本では、戦争のない暮らしが普通になって78年。
僕の人生68年間で戦争こそ体験していませんが、「普通じゃない暮らし」を強いられた方々を見聞きし、高齢者施設に携わる身として実感し、だからこそ「普通の暮らし」にこだわってきました。
こんな話をすると、よく「普通の暮らしってなに」って投げかけられますが、そんなことを考えなくても良い暮らしを「普通の暮らし」って言うんでしょうね。
僕の言葉で簡単に言えば、「自分のことを自分でできる・自分でしていい暮らし」「人と人が関係を以って互いに助け合う・助け合っていい暮らし」「宅に閉じ籠らされることなく地域社会生活のある暮らし」、そうやって「生きている姿」でしょうか。
その姿は、心身ともに一般的な状態にある多くの国民に共通する姿で、その一般的な状態が崩れると「姿」が変わりますが、一般的な状態が変わる原因に、戦争、災害、病気やケガなどがあり、犯罪で逃げ回る人や収監された人の生きる姿も変わりますね。
要介護状態にある方々の多くは、「一般的な状態で生きる姿を獲得していた方々=ふつうの暮らしを営んでいた方々=日常が当たり前にあった方々」で、要介護状態というのは、その生きる姿を変えてしまう状態だということです。
僕は、その方々に「当たり前にあった日常」を少しでも取り戻せるようにどうすればいいかを考え実践しようとしているだけなのですが「少しでも」なのに、これがなかなか難しいです。
難しい要因には、「人手」だけではなく「携わる者の考え方」もあり、携わる者には職員だけでなく、家族、行政マン、近隣住民、マスメディア従事者、司法に携わる者など「人様=多様な人」がいますし、何より本人がいますからね。
認知症になっても「どこででも見られるふつうに生きる人の姿で生きていただきたい」、そう願っているだけなんですが。
ただ、ちょうど20年前、グループホームにおける僕の実践がテレビで放映されたとき、同業者から受けた「認知症の人に、料理をさせる・掃除をさせる・鍵をかけない・何を食べたいかを聞く。和田のやっていることは虐待だ!」の誹りは、さすがにもう消え失せましたがね。
全国各地で奮闘されている皆さんと共に、改めて「ふつうの暮らしへの支援」について語り合うことに意味を見出さなきゃいけない時代、介護業界になっている気がしています。
お知らせ
【トークライブin仙台2023】
認知症介護研修会 ジョイントライブ
聞こう 語ろう 学ぼう
〇開催日時
9月6日(水)14:00開場 14:20開演
〇開催場所
ライブハウス「darwin」(ダーウィン)
仙台市青葉区一番町3-9-13 DATE ONEビルB1F
〇出演者
宮崎直人(北海道)
和田行男
永田久美子さん(東京)
丹野智文さん(仙台)
カッパーズ(北海道の介護関係メンバーのバンド)
〇先着申込:60名
〇参加費 2000円(ワンドリンク付き)
〇終了後 18:30頃より懇親会あり(5000円)
※どなたでも参加できます
〇主催:社会福祉法人功寿会
〇問合:同法人事務局 担当:内海
TEL:022-355-0396
FAX:022-354-6555
写真
ついにきた!って感じです。
レギュラーガソリン200円時代突入ですかね。
僕が乗り出した頃は70円代でしたから、約3倍。えらい高くなったなぁって思いがちですが、よく考えると、技術の向上で燃費は良くなっており、当時の燃費1Lあたり7kmだとしたら、今21kmで同じということですからね。
しかも賃金水準が当時よりは良くなっているでしょうから、200円は高い感ありますが、額面だけで「高くなった」とは言い切れないんでしょうね。
ただ僕が乗っている車で言えば、燃費は当時と同じなのでガソリン代値上げは「痛い!」です。間違いなく。