メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

2023ベトナム行記1

 ベトナム技能実習生の家庭訪問に行ってきました。
 今回はハノイを中心にした北コースと中部地域を回る南コースに分かれての訪問としましたが、僕の担当はフエ空港・ダナン空港・ニャチャン空港を使う南コースで、長距離は所要1時間程度の空路、2日間滞在のうち1日は500km以上の陸路移動を伴うコースでした。

 メンバーは、湘南介護人材協同組合の川井氏と、僕が所属する法人のグループ現地会社職員で、通訳を担当してくれるハンさんの三人。
 気温は最高37度まで上がり日本の超真夏状況でしたが、海がハノイよりは格段に近い地域に行ったせいか過ごしやすく、ハノイは気温が低くても湿度がメチャ高く、いわゆる「蒸し風呂状態」で不快指数全開でした。

 お会いした実習生の親御さんたちから「どこの、どんな人の会社に行くのか心配でならなかったけど、来てくれて安心した。ありがとう」とのお言葉をいただけ、ハードスケジュールでしたが、遠路・長時間の疲れは吹き飛びました。

 ただ、初っ端からアクシデントに遭い「飛行機や電車といった、時間が決まっている交通機関を使う旅の基本」の重要性を再認識した旅でもありました。
 ハノイに夜中到着、翌日早朝出発なので空港近くのホテルに宿泊、チェックインしたのは0時過ぎでした。
 スケジュールを組んだ予想よりも空港からホテルまでの所要時間が短かったようで、翌日の出発予定時間を15分繰り上げて4時45分に変更。これが致命傷となりました。

 寝坊することもなくチェックアウトをして国内線ターミナルに向かい、5時にはチケットを発券し、荷物検査ゲートに並びましたが、早朝だというのに出発便が重なっていたようで長蛇の列。
 飛行機出発1時間前から並んだので、「搭乗時間に間に合うかな」と心配はあったものの「まだ、何とかなる」「間に合いそうもなければ何とかしてくれる」とタカをくくっていたのがダブル致命傷を生みました。

 「6時搭乗の方はお近くの係の者に申し出てください」のアナウンスもなく、お行儀よく並んで搭乗口に着いたのは5時50分。
 「何とか間に合った」と思ったのもつかの間で、搭乗口辺りに人の気配はなく、どう見ても終わった感じ。案の定、カウンターの方に聞くと「搭乗手続きは終了している。15分前搭乗が規則なので乗せない」と言われてしまいました。

 日本なら出発時間が迫ってくると、発券手続きを終えていれば氏名を呼んでくれるし、混んでいれば搭乗手続きの順番待ちを早めてくれるなどの手立てを講じてくれますよね。
 それが普通になっている僕にすれば「5分遅れたから乗せない」は、僕らの責任だけとは言い切れなく「ちょっと待ってくれよ」なんですが、頑として聞き入れてくれません。
 しかも飛行機がまだそこに居ることがわかっているだけに「便宜計ってよ」って思いましたが「規則は規則!」とばかりに、いくら交渉しても聞き入れてくれませんでした。(ベトナムの事情がわかるようになっているので、逆にエライ!って思えましたがね)

 次の便は6時間後。車での移動を検討するも10時間以上かかり、それだと予定している方の訪問ができなくなるとのことで次便を待つことにしました。
 結果、午前訪問予定のお宅は午後に変更していただき、真昼間訪問予定のお宅は暗くなってからの訪問となるなど、「五分遅れされど遅れ」で訪問先に大変な失礼・ご迷惑をおかけしてしまいました。

 確実に間に合わせるために早め早めに行動する、向こうから言ってきてくれるのを待つのではなくこちらから積極的に打って出て時間を稼ぐ・先を急ぐのは鉄則ですね。改めての教訓です。

 訪問先にご迷惑をおかけした渡航となってしまいましたが、初訪問の土地で、これまでの渡航で食べたことのない名物料理を食べることができましたのでご紹介させていただきます。

〇バイン・ヴェアオ

 最初に訪問した地域のハブとなる町・ベトナム中部フエの名物料理のようですが、5cm程度の皿に平たい餅のようなものをへばりつけ、その上に乾燥した小エビや小魚をふりかけた料理です。
 食べ方は、餅状のものにダシ汁をかけて、へばりついた餅状のものをはぎとり一口で食べます。(写真下)

 餅のような食感と乾燥海産物やダシ汁の味・匂いが調和していて、僕的にはたまらなく美味しかったです。通訳として同行してくれたハンさん(ハノイあたり北部の出身)も初めて食べたと言っていました。
 ちなみに「バイン」とは「粉もの料理」を指す言葉だそうです。
 僕らはお土産にベトナムでも大人気のドラえもんの絵がどら焼きに焼き印された「ドラえもんどら焼き」を持参しますが、ドラえもんはベトナムでは「ドレモーン」と呼ばれているようですから「ドラえもんどら焼き」は 「バイン・ドレモーン」ってとこですかね。
 ちなみにベトナムでもパンケーキにドラえもんの焼き印がはいっているものがホーチミン市で売っているそうです。

〇バイン・ナム

 同じ店の料理ですが、これも名物。
 これは日本の「ちまき」に近いものでしたね。ちまきよりも練が緩い感じで薄っぺら。
 前述のバイン・ヴェアオよりは葉っぱで包んであるためか水分が絡んでいて軟らかく、葉の香りもあり、これはこれでおいしかったです。

 日本もベトナムも地球規模で見たら「同じ地域」なんで、米など似通った食べ物が存在し、ベトナムの方は「ハノイには四季があるけど中部地域はない」と言いますからね。

写真

 訪問したお宅でのご挨拶シーンですが、ベトナムのお家は、僕が知る限り、表に向かって開口部の広い玄関扉があり、入るとオープン空間の応接間となっています。
 そこに大きく立派な椅子とテーブルが置かれ、先祖をお祀りする仏壇的なものがあり、壁には、結婚など家族の記念すべき時の写真が飾られています。
 日常的に来客が多いようですが、特別な客人には果実などを出しておもてなしをするようで、いろいろな果実を食べさせていただいています。どれも美味しい!です。
 ※ご了解を得て掲載させていただいています。

【前の記事】

顔見せ

【次の記事】

ベトナム行記2