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辻川泰史の介護事業経営に必要な考え方

辻川 泰史 (つじかわ やすし)

一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。

プロフィール辻川 泰史 (つじかわ やすし)

1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66

経営者の平均年齢

 なんと、2019年の経営者の平均年齢は、59.7歳とのことです! 10年後に現役で社長として陣頭指揮をとられていると考えると? 怖いですね!

 後継者は大丈夫か? 社内からの登用か! 自分の血を分けた子どもか! と悩むところと思います。ただ、下積みから経験し、苦楽を共にした後進から登用できるのがベストかと思います。もちろん、優秀な子どもが親の意思を受け継ぎ、さらに繁栄させることができれば、なおベストでもあると思います。

 しかし、今は昭和、平成という時代が過ぎ、令和です。同族会社という、ある一族の事業に尽くし、また自己の一族の命運を託すという仁義、義理が通る時代ではなくなってきました。なぜなら、移動も用意、情報も豊富になってきたからです。

 東京以外の地方で仕事をしていると、色々な価値観や概念と接することができ、勉強になります。ある地域では、子どもの友人関係で成り立っているという会社も存在しています。産業がなく、仕事も限られている地域では、一定の給与を提供できる介護福祉事業は民間の公務員のように高く評価されるでしょう。介護福祉人材の減少のなか、そういった地域形態で高齢者社会に貢献できることはよいことと思います。

 ただし、それが時流にあっているのか? というと違うとも思います。介護福祉事業はフランチャイズ加盟店のようなものです。本部が国であり、その商品の提供を受けているのが、介護福祉事業の会社です。報酬単価、人員配置基準など、国の制度に沿って行う必要があります。

 適正な経営、運営ができているかの実地指導があります。そこで、不適正となれば返戻などのペナルティがあります。どんなに介護福祉事業で成功しようとも、疑似市場での成功でしかありません。イノベーションを起こそうとしても、国の政策、保険法に基づかないと違法となります。

 そう考えると、介護福祉事業は大変と思いますが、逆転の発想でみると法を守り、職員の職務倫理に訴えかけたスローガンをもち、実践すれば容易ともいえます。9割から8割は売掛金が回収できます。

 未だに無知な土地オーナーや、地域貢献の想いのある経営者に対して、有料老人ホームやサ高住の事業をもちかける輩がいることに驚きです。それらは、事業としては成熟期の後半で、衰退期に入りつつある事業でもあります。後継者の課題も希望的観測で提案し、高齢化社会だと煽ります。高齢化社会と高齢社会と超高齢化社会の違いも説明していない! 今だけよいという事業の発展性はないと思います。超高齢化社会の日本で必要な事業として、介護福祉事業を経営し継続し、繁栄させていくためには何が必要なのか?

 社会に貢献できる定義をもつこと。そこに携わる人に正当に還元できる体制にすること。また、若い世代に、介護福祉業界に入ってもらうための魅力とは何か? 今、この事業に携わる管理者一人ひとりが向き合うべきことと感じます。

 経営者の平均年齢約60歳。これが、これからの事業のキーになると思いました。