辻川泰史の介護事業経営に必要な考え方
一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。
- プロフィール辻川 泰史 (つじかわ やすし)
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1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66
新規事業
6月に東京都杉並区と沖縄県那覇市で同時に新規事業を行おうと思っていました。新規事業を行ううえで、障害者グループホームとは何か? と考えました。単に入居者様が住まうだけでは、単なるシェアハウスです。そうではなく、地域とのかかわり、自立に向けた環境整備と、ピアカウンセリングの必要性があります。地域性、社会性、収益性、将来性、この4点がないと事業は上手くいきません。それに加えて自分が行いたいことか、どうか? 熟考した結果、スタートすると決めました。
新しいことを始める際の第一の壁。つまずいたのは、100平米以下であれば用途変更不要でグループホームとして使用できますが、100平米を超えると用途変更が必要という法律です(今は法改正されて問題がないですが)。
候補のピロティ建築の物件は、屋上の景色が最高に綺麗で、久高島から空港まで見渡せます。そのピロティの箇所も入れての平米数計算になります。ここも法の運用と解釈などによって異なります。行政の指導のもと改善をし、申請のし直しです。
6月開業予定の沖縄は7月になりました。東京は10月になりました。物件の選択と選定。それに伴う、法令厳守。そして消防の設置。最初に思い描いていたものよりも大変でした。労力も費用も・・・。
事業は人、モノ、金といわれます。それに加えて、情報とタイミングが重要と学びました。基盤が東京にある自分が沖縄で事業を行うのは自分自身のチャレンジでもあります。物販やネット関係であれば管理、マネジメントもシステム化しやすいですが、対人援助サービスでは、そうはいきません。
政治家で当選するためには、3バンが必要といわれます。地盤、看板、鞄。事業も同様と思います。天地人という言葉と同様で、タイミング、地の利、人の和。自分は沖縄での地盤は皆無です。看板という、今までの自分の実績は全く役に立ちません。そういったなかでも事業を行えていることは、周囲のおかげです。
新しいことを始めると、何かしらの課題と問題が生じます。ここが大事だと思っています。創業のときの苦労が、財産となります。どんなに準備万端にしていても問題は生じます。何か問題があるのは企業として成長している証拠です。
起業し、事業をスタートした17年前。問題、課題だらけでした。当時と違うのは自分自身の経験値です。必要なタイミングで、必要な問題が起きます。そこにどう向き合うのかが、先の自分を決めます。常に試されていると捉えていくことが大切です。課題が出てくるのは動いている証拠。それを乗り越えたときに成長した自分がいます。
約10年間は起業家支援を多く行ってきました。久しぶりに起業家に戻り、出鼻をくじかれています。笑 今までの自分の実績なんて、屁の突っ張りにもなりません。
これからがスタート! 今41歳です。あと5つ位のプロジェクトはできます。常に好奇心をもち、チャレンジしていくこと。何かしていないとダメな性格です。よくいるコンサルタントで、自分で何も行っていない、チャレンジもしたことない奴が制度や仕組みだけを学び、コンサルティングをしているのを見ると、儲かるなら自分でやってみたら!? と思います。
『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
山本五十六』
まずは自分でやってみること! 何事も! 頑張ります。