辻川泰史の介護事業経営に必要な考え方
一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。
- プロフィール辻川 泰史 （つじかわ やすし）
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1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、（有）はっぴーライフを設立（05年に株式会社化）。08年、（株）エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす！』（中央法規、2009年）がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66
乃木希典
乃木希典（ルビ：のぎまれすけ）将軍の祭られている港区の乃木神社には思い出があります。私の思い出深い場所です。22歳～23歳の頃は、ほぼ毎日行っていました。参拝でなく、訪問時の休憩のためです。あるきっかけがあったのです。
その日は、いつもより休憩、移動時間に余裕がありました。「そういえば、外苑東通りに乃木神社っていうのがあったな！」と思い、時間もあるので会社に連絡し、乃木神社で休憩を取りました。昼食を済ませると眠くなりベンチで少し寝てしまいました。前日、飲みに行き、帰宅が遅くなってしまったのです。
寝ていてふと、思ったのです。最近、愚痴が多いな！ 自分は一番なりたくない大人の姿になってんじゃないのか？ 悪いのはすべて人のせい……。できないのは社会のせい……。自分で思いっきり行ったことはいくつあるんだ！ 誇れることはどれだけあるのか？
利用者様へのサービスは好きだ！ しかし、同僚に対してや会社に対してはどうなんだろう？ 利用者様も同僚も同じです。利用者様だけに「笑顔」や「気持ち」を持っていても、それを同僚や会社の人に対して違う思考で当たってしまうのは偽善じゃないか？
そう考えていると自分が情けなくなりました。自分は変わりたい！ 変わらなきゃだめだ！ ダラダラ生きていくために仕事をしているわけじゃない！ 自分を変えなくてはと思いました。
どう変わるのかさえ目標がないまま決意しました。それから、休憩は決まって乃木神社！ 車を外苑東通りに駐車し境内で昼食！ 時間も移動があるので30分ほど。そこで、いつも考えていました。
自分の将来への不安？ この仕事に向いているのか？ いつも答えは出ませんでした。
乃木将軍の住まい跡に出来た神社なので、考えごとだったらこういった名を残した人の住んでいた場所で考えた方が卑屈にならずにすむんじゃないかな？ とそういう気持ちがありました。
訪問入浴のとき、移動時は同乗するスタッフもいました。ヘルパー、ナース、それと私。女性がゆっくり休憩取れないといけないので、私だけ車外でとりました。ちょうど、今くらいの暑い季節でも外で昼食！ 自己への戒めも込めてです。
そんなことをしているうちに、新たな仕事を指示されました。「営業」をやってみろ！ とのこと。サービスの合間に営業です。慣れないPCで地域の事業所をピックアップ、Wordでお知らせを作成、配布。
営業をして、コストという概念を痛切に知りました。コスト意識がついたのです。そうなると見える景色が変わりました。こうすればもっと会社が良くなる、このままだと赤字！ こう結果が出れば、同じ部署の同僚にも分配できる。
私の起業したいと思う概念は、こういった機会からだったと思います。先日、久しぶりに近くを通り、当時のことを思い出しました。22歳のときの自分が今の自分を見たら、どう思うか？ 原点に立ち返れる場所。自分を奮い立たせてくれる場所にたまに足を運び、気持ちを落ち着かせて、ゆっくり考えてみることも大切だと思います。
