辻川泰史の介護事業経営に必要な考え方
一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。
- プロフィール辻川 泰史 (つじかわ やすし)
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1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66
賞与
経営者にとって、7月、12月は楽しみです。何が楽しみかと言うと、賞与の支払いです。
正直、賞与の支払いが大変な時期もあります。賞与を払えるのは嬉しいことです。利益を出し、それを社員に還元できるということは経営者の誇りでもあります。何よりも、スタッフが喜んでくれる顔が見れます。賞与のあとに、スタッフの新しい服などを見ると嬉しくなったりもします。親孝行をしていたり、家族に何かしらしたというような話を聞くと嬉しいものです。
経営者の喜びの特権です。私の経営する会社もそうですが、私がコンサルなどでかかわる経営者にも共通していることは、「少しでもスタッフへ還元したい!」という気持ちです。いつも頑張っている大事なスタッフの生活を向上させるためになることは何でもしたいのが経営者の気持ちです。
一方で、そこまでしない経営者もいます。売上げが低いから出ない! そう言い切る判断もあります。物販や飲食の業界では、繁忙期などで通常より売上げの上がるときがあります。
介護事業は格段に売上げが上がる時期はありません。当たり前の権利のように賞与が出るわけではありません。もちろん、「労働条件にあるから、権利として当然だ」ということもあります。しかし、状況によっては捻出が難しいときもあります。
賞与を支払うために、融資を受けたり、経営者自らが会社に貸し込みをすることは良くあります。恩着せのような意味ではなく、そういった苦労もあります。
セミナー会場や懇親会などで、現場の方から賞与が少ないという悩みを伺います。話を伺うなかで質問します。
「何を基準に少ないのか?」
「自分は頑張っているという事ですが、数値、売上げの金額にするとどうですか?」
「自分のサービス単価は把握していますか?」
といった内容です。
時間があれば、その方の売上げも計算します。そうすると、決して安くなかったりすることに気づくこともあります。賞与が低い、安い。そうスタッフに思わせてしまうのも経営者の責任です。日頃からの指示や売上げ概念の浸透のための取組みが必要です。同時にスタッフもコスト意識や売上げ概念を持つ事が必要です。