辻川泰史の介護事業経営に必要な考え方
一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。
- プロフィール辻川 泰史 (つじかわ やすし)
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1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66
15年前
15年前の6月6月は何をしていましたか? 私は一生忘れることはない日です。
私にとって2002年6月6日は、起業した日です。15年前というと、サッカーワールドカップが日本で開催されていた時期でした。テレビでは、連日のようにサッカーの特集が組まれ、私自身も日本代表を応援していました。
起業したということで、希望に溢れていた心境でしたが、同時に頭の片隅には設立した会社をどのように経営していけばいいのか? 本当にできるのか? という不安もありました。
ただ起業してしまった以上、やるしかない! お客様やスタッフに必要とされる企業にするという責任をもっていくしかない! という想いだけでした。
当時は24歳で、社会経験も3年半ほどしかなく、経営という知識も当然ながら無に等しい状態でした。夢というか、自分の選択した道を目指すことで必死でした。
実際に起業して感じたことは、組織にいるときはわからなかったことがたくさんあり、不満に感じていた組織の方針も、実際に自分が経営者になると理解できることも多々あります。
そして、社会というのは、時に冷たく感じるものであり、愚痴や不満を言えるのは幸せなことなのだと痛感しました。
そうはいっても、経営者としてスタートした以上、引き返すことはできないです。その当時に自分がしていたことは、「強がること」「無理をすること」という2点でした。 強がることは、スタッフに安心してほしいという気持ちとともに、自分自身が弱みを見せることで自分自身に甘えが出てしまうと思ったからです。
無理をすることは、がむしゃらというより、無理に笑顔になってみたり、無理にしたくもない業務を引き受けたりという頼まれ事を行うということでした。
今になって思うことは、強がることも時には必要ですが、強がり過ぎることで自分の課題や問題を直視していない、認めたくないという素直さが欠如していたのだと感じます。
無理をすることも同じで、本当はスタッフに自分の感情や想いを伝えたいのに、辞められたら怖い、批判されたら怖い、嫌われたら怖いという感情から、無理にいい人になろうとしていたのだと感じます。
どんな事も無駄な事はなく、必ず糧になると信じています。6月6日は自分自身の経営者としてのスタートの日です。起業当時になかった経験や知識は、当然、現在の自分のほうがあります。その当時から見たら、まさか自分が出版したりテレビに出演できたりとは思ってもみなかったことであり、「すげぇー」と感じると思います。
逆に勢いがなくなったなー! とか感じることもあるかとも思います。1年前の自分、2年前の自分、起業した15年前の2002年当時の自分からみた自分と、現在の自分を振り返る日、過去の自分との対話する日でもあります。
経営者として仕事ができているのも社会、スタッフ、家族や周囲のすべての方々のお蔭です。時に投げ出したくなるようなときもありますが、そんな気持ちになってしまったら、2002年6月に勇気と夢と希望をもって起業した24歳の自分に叱られます。
縁があり、今の自分があるわけです。1年後、2年後、10年後、20年後の自分をつくるのは、今の自分です。与えられた環境に感謝し、頑張ります。
まだ39歳! 一所懸命、一生懸命にいきます。今後ともご指導の程、宜しくお願いします。
起業当初は、当然ながら最初はお客様(利用者様)はゼロで収入もゼロです。
会社に車はありません。移動手段で使用できるのは唯一の会社の財産でもある自転車一台です。
挨拶に関係機関へ自転車で回り、汗だくになりました。
お疲れ様と言ってくれるスタッフもいません。
夕方に事務所(ワンルームマンションの一室)に戻ってまってくれているのは今は枯れてしまったハートのサボテンだけです。
この一室でのスタートしました