高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
考えるヒントの本音:価値観の正体
11月号が手元に届きました。今回の「考えるヒント」は・・・みなさんがよく使っている「価値観」です。
今回、どうして「価値観」を取り上げたか・・・それは、「利用者の方の価値観を尊重しよう」と語られていますが、では、価値観の正体をわかっているのか、という根本的な問いかけをさせてもらいました。
アセスメントでも「個別性」が話題になれば、かならず登場する「価値観」。ところが、多くのケアマネジメントの研究者が「価値観の尊重」といいながら、その価値観を正確には定義していないように思うのですが、いかがでしょうか。厚労省の資料でもしかりです。
なぜ、そう思うか・・・ですか?
それは、現場のケアマネジャーのみなさんに「では、あなたの価値観を話してくれますか?」と尋ねても返答に窮する人が大半だからです。それでいて、「この人の価値観ってなんだろうね?」と事例検討会などでやりとりしているシーンに立ち会うと、目の前が真っ暗になる自分がいました。
その点をイラストレーターさんが、うまく表現してくれました。
そこで「価値観とは・・・」と文章で長々と定義したり、なぜ価値観がわからないのか、を分析するようなことはせずに、簡単な「自分の価値観発見ワーク」を誌上体験してもらおうと思い立ちました。
このワークは、10年以上前から行っているもので、アサーションの研修の私も体験したものです。約20分程度で、いまの自分がどのような価値観を軸に行動しているか、が即わかるので、研修会でもとても盛り上がります!(^^)!
連載でも書きましたが、このワークのポイントは、文字にしたら同じ価値観でも、それぞれでとらえ方がことなるということ。そして優先順位があり、その順番は人生の経験や置かれた立場・環境で変わる点です。
価値観がずっと変わらない人もいるでしょう。しかし、人生のときどきで「可変する」こと、そのことの大切さを説きたかったのです。
そして、そして・・・
ケアマネジャーのみなさんが「利用者の価値観」を知るという事を通して、その価値観の視点から、みなさんや家族・周囲は「判断されている」ということを知るべきだということなのです。
前回に続く、読者の「痛いところ」をつく「考えるヒント」。読者のみなさんの感想が心待ちです。
ちなみに、私も判断されているわけですので・・・(^_^;)
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