高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
モチベーションは、なぜ下がる?
昨日は世田谷区福祉人材センター主催の研修会でした。人材確保・人事管理セミナーと銘打ち、「ほめる力とモチベーションアップ」をテーマに2時間(結果的に2.5時間)、講演を行いました。
夜の6時30分から始まった研修会には40名のみなさんが参加されました。特養やグループホーム、ケアマネさんなどの顔ぶれで、リーダー層のみなさんが参加されました。
モチベーションの研修では、最初に、モチベーションがなぜ下がるのか、をお話します。原因の多くがストレスですので、このように問いかけます。
「みなさんは、何がストレスになりますか?」
「なぜ、それがストレスになるのですか?」
「ストレスになると、どうなりますか?」
「では、うかがいます。みなさんは“どうなればよい”のですか?」
多くのみなさんは「人間関係」と答えます。人間関係といえば、職場の誰ですか?それはいつもですか?どのような場面ですか?
ちなみに、その人に感じるストレスを、どうして他の人に感じないのですか?その違いは?
このように立て続けに質問すると、本人のなかで、いかにストレスを漠然ととらえているのか、が次第に浮き彫りになってきます。漠然とイライラしているから原因はわからない。
もちろん原因が特定できないと解決できないわけですから、あとは溜めこむ(^_^;)か、がまんするか、忘れるか、気分転換するか、いずれか。どのやり方をやっても原因解消ができるわけなく、やがて似たような状況に陥って、やがてはまたまたストレスに・・・(>_<)
そこで私は、モチベーションが一般的に下がる状況をパワポを見てもらいながら説明をします。
意外に思われるかもしれませんが、単調さは退屈を生みます。命令は義務感を生みます。無休は感情の振り幅をなくさせます。不全感は、自信の基盤となる有能感や自己肯定感を冒します。
モチベーションが下がった状態が、この中のどれかに当てはまるかどうか、を受講するみなさんに私は問いかけます。
そして、私がここ10年間、モチベーションでかならず語る「感情労働」の話をします。介護や看護に携わる人は、肉体労働や頭脳労働でなく「感情」を使った働き方をしています。感情のなかでも、とりわけ実は疲れる「笑顔」を使った働き方をしている、と。つまり「ほほ笑みのルール」に縛られているのが感情労働の人たちなのです、だから気持ち(心)が疲れ切ります、と話すとみなさんはとても興味深く聞き、そしてうなづきが大きくなりました。
では、モチベーションには個別性はないのでしょうか・・・大いにあります。個別性を規定するのは・・・
- ・性格
- ・価値観
- ・体力、体調
- ・育ち方(生育歴)
- ・経験、体験
- ・環境(家族関係含む)
などを例を挙げながらお話をします。ところが、いかんせん、2時間ですので、ちょっと走り気味の話し方になってしまったのが残念でした。
終了後、以前、うちの東京セミナーに参加された田浦秀一さん(中央)と受講者の森さんと3人で記念写真を撮りました!(^^)!。
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