高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
情報の整理
膨大な情報社会・・・その量の多さには辟易とする。3年に一度の介護保険制度改正に関わる委員会資料も、だ。とにかく多い。これだけの資料を毎度読み込める人は専門記者か、それを業とする研究者、そしてやたらこの手の情報通でありたいと思う御仁だけなのではないか。その点、私などはもともと「なんでも知っていたい派」だったのであるが、いまはその病?もやわらぎ、大切な情報だけを取捨選択するようになった。
そうなったのは、そもそも出版物や雑誌などの呆れる程の情報量をこなしきれないこともあるが、インターネットの登場が大きい。日々、更新される情報・・・それもブログやフェイスブックのように個人発信情報もあるので、どだい無理とあきらめた。
だから「検索エンジン」は重宝している。キーワードを叩けば、立ちどころに、それにまつわる用語を検索してくれるからだ。
しかし、これが情報処理として絶対かというと・・・違うんだな、これが。だって、これらは第3者やメディアによってすでに加工された情報だから、2次情報、3次情報ということになる。
やはり情報は1次情報が重要だ。ではそれを収集するにはどうしたらいいか・・・やはり一番の道具はアナログなのである。
もっともアナログな道具(ツール)、それは私自身(あなた自身)なのでは、と思っている。つまり私たちが自分の「5感」と「第6感」を駆使し、そして相手の話を「聞く力」を備えれば、かなりパフォーマンスの高い情報処理が可能となる。
他人の5感でなく、自分の「5感」で判断をするわけだ。
「聞き方の教科書」(東洋経済新報社刊)を書いた清水久美子さんは、若手のコンサルタントを教育していて、きちんと相手の話を聞くことができているか、で提案書などのアウトプットにかなりの差が出ると指摘する。
著者は「聞き方」を次の3つに大別している。
- (1)聞く力・・・聞く基本姿勢を整え、信頼関係を築く聞き方
- (2)聴く力・・・情報を聴き分け、仮説を検証する聴き方
- (3)訊く力・・・相手の行動を変える「問いかけ」をする力
ここには傾聴のような「共感、寄り添い」などのコンセプトはみじんもないようだが、仮説を立てて聴く、問いかけをしながら訊く、などは参考になるのではないだろうか。
私たちは日本語を使っている。日本語には「あうんの呼吸」という独特の「間合い」がある。そこでは膨大な省略が行われる。その分、誤解も多くなるというものだ。
いかなる情報も「わかったつもり」にならずに、まずは検証的に情報整理するスタンスで「情報の仕入れ」を行う。そのためにいつも使いこなせる状態にしておきたいのが「5感」+「第6感(心的センサー)」なのである。
※今回は「である調」で書いてみました。ちょっと硬かったでしょうかね(^_^;)。
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