高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
苦情と消費者問題
先週と今週、私は飯田橋にいました。というのも、東京都消費生活相談員という方々への研修を依頼されたからです。
会場は150名の相談員でいっぱいです。ほとんどが女性ですが、男性もごくわずか参加されています。講師控室のポスターの前で記念写真を撮りました。
今回、依頼があった理由は、消費生活相談員のところに介護サービスにかかわる相談が増えているという背景があります。一般的に、消費者問題といえば、健康食品や悪質訪問販売、ペーパー商法にはじまり、家電製品の不具合などが想像されます。ところが、ところが現実はかなり深刻です。
「実は、最近、介護サービスに関する相談が多いんです。それに多くの高齢者が、悪質な訪問販売で狙われています。標的になっているんですよね」
「有料老人ホームが嫌になってすぐに退去をしても、どうして一時金の戻りがあんなに少なくなるのかわからない、腹が立つ、という相談もありますね」
本来は、個々のケースについての対応方法を知りたいのでしょうが、まずは、基本的な仕組みを知ることが大事ということで、今回のセミナーになりました。
なにせ持ち時間は2時間。ちょっと苦労しました。
話の流れは・・・
- 1)介護保険が生まれた社会的背景
- 2)介護保険の仕組み・・・保険者は誰?
- 3)介護保険のサービス
- 4)介護保険の財源と保険料
- 5)地域包括ケアシステムと地域包括支援センター
- 6)介護保険の苦情対応
という、いたってシンプルなものです。
でも、これではおもしろく(^_^;)ないので、合間にエピソードをいくつか入れながら進めました。
介護の話を初めて聴く方もいれば、実際に介護中だったりする方もいて、その反応もまちまちです。ただ、冒頭に「高齢社会とは高齢女性社会」という話題をエピソードを交えて話すので、我がことのように聴いてもらえたようです。
そうそう、成年後見制度でどのようなトラブルが起こっているか、任意後見制度で懸念されることなどについてもお話しました。(1回目の講義で、私が「委任後見~」と数回間違ってしまったため、アンケートでお叱りを受けました(^_^;)。・・・反省です<(_ _)>)
参加された方々は、相談があった時の「つなぎ先」(行政、地域包括支援センター)が明確になった、ケアマネジャーは変更できるのがわかった、ケアマネジャーへの苦情の相談先がわかった、よいケアマネジャーの見分け方わかった、などの声がアンケートに書かれていました。
また機会があればお話をしたいなと思える研修会でした。
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