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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

施設ケアマネにできること~自宅訪問~

 みなさん、台風8号の影響はいかがでしたか。過去にない暴風雨と表現されるだけでおそろしくなりますね。

 今回は「施設ケアマネ」にできること、というテーマで書きますね。実は今年の3月に長野県介護支援専門員協議会が施設ケアマネを対象に研修会を企画し、私が講師として呼ばれました。主催者が驚いたこと・・・それは参加人数の多さです。約300人以上の方の参加がありました。県内ほぼすべての特養・老健、GHのみなさんが来られたのでは?と思うほどの集まりようでした。

 「施設向けのケアマネ研修は本当に少ないので、こういう機会ははずせないです」「実践的で、とても参考になります」

 という感想をいただくということは、つまり、多くの施設ケアマネのみなさんは、せっかく向上心はあっても、それを満たす機会がないということがよくわかりました。

 そこで・・・このサイトをご覧になっている方に特別にWeb上施設ケアマネ研修のさわりをご紹介したいと思います(^_^;)。

 施設ケアマネ研修では、ケアマネジメントの前に「施設ケアの5つの特徴」をお話しています。なぜなら、ケアマネジメントを行う環境について共通認識を持っていないとチグハグな理解になるからです。

 今回は、ここは飛ばしまして・・・(^_^;)

 そのような話の中で私が触れるのが「ケアの連続性」です。このようなチャレンジシートに感想を書いてくれる施設ケアマネさんがいました。


 どうでしょう?これを読んで「ハッ」と思われた方は多いのではないでしょうか?これまで、「利用者の姿がよく見えない」「これまでの暮らしぶりがわからないので、その人らしいプランが作れない」という悩みをずいぶんと聞いてきました。

 これをマネジメントの視点で考えると、私なりにすぐにピンときました。だから、この手の施設ケアマネさんには次の質問をします。

「どの方も在宅での介護を数年受けられていますよね?担当のケアマネさんから、この1年間のケアプランと個別サービス計画をもらっていますか?訪問とデイとショートのプランがあれば、暫定ケアプランは作成できますよね?」

 みなさん、ハッとした表情をされます。そうです、もらっていないのですね。するとかならず次の反論?が返ってきます。

「でも、病院から直接来る人や老健の人もいるので、どうすればよいのですか?」

「簡単ですよ、入院前の在宅のプランをもらうか、施設ケアプランをもらえばいいのではないですか?ご自宅に大抵ありますよ。なければ、事情を話し、担当のケアマネさんからもらったらどうですか?できれば、施設内の第1回カンファレンスに参加してもらい、じかに口頭で20分程度説明してもらうのは?とても参考になりませんか?」

 多くの施設ケアマネさんは、「それはいい」と大きくうなずかれます。

 この一連の流れで、先の感想に書いてあった「ご自宅を訪問していますか?」という質問をします。そうなんです・・・ケアプランだけでは「本人らしい暮らし」を知ることは至難の技だからです。

 では、どうすればいいか?

 これも簡単です。1回でよいので、これまで住んでおられたご自宅にうかがい、了解をもらって居室や居間の様子、庭木や家の周囲の様子をデジカメにおさめさせてもらうということです。

 できれば、なじみの商店街や美容室、神社やお寺、散歩した公園や散歩道などを写真におさめるということもいいですねぇ。

 さらにやってもらいたいのは「動画」で収録してくることですね。近所の方や身内の方にインタビューするのもいいと思います。

 これがあれば、確実に利用者の方の「本人らしさ」を知ることができます。そして担当変更があったら、新しい職員さんは最初にその写真や動画を見ることで、その人をビジュアル的に知ること・理解することができるでしょう。地方なら、すぐに「あの家の方なんだ」「あの地域でずっと80年暮らしてこられた方なんですねぇ」と、すぐに身近に感じることができるでしょう。

 これを行うのは生活相談員でも施設ケアマネさんでも、いずれでもいいと思います。これこそが「ケアマネジメントの連続性」であり「暮らしの連続性」ではないか、というお話をしています。

 このチャレンジシートを書いてくれたケアマネさんは、私の意図をしっかりと受けとめてくれたようです。

 とてもうれしく思います!(^^)!

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