高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
102歳からの伝言
昨日、私の人生初の年齢の人のお話を聴く機会があった。
その方の名は、日野原重明先生。言わずと知れた「歩くアンチエイジングの巨人」。今風に言うと、「102歳の進撃の巨人」といえばいいでしょうか。この日野原先生の講演会が、中央法規出版の新社屋であるというので、早速行ってきました。
私は最後列の真ん中に座っていました。すると、スタスタと杖を突きながら、風のように歩いていく御仁がいます。それがまさに102歳の日野原先生でした。
座って話し始めると冒頭に……
「私は、あと5カ月で103歳になります」
会場からは「ホォ~」というため息ともつかない感心の声が。聴衆の皆さんは、70代の方もちらほらいらっしゃいました。
記念講演のタイトルは、「人生の質を高めよう~102歳の私から~」です。もうこの年齢の方の「生の声」を聴くだけで、ありがたい気持ちになります。驚いたのは、声のハリのいいこと! どう見ても80歳前後ですね。肌もツヤツヤしているのにも感心しました。
講演の中でいくつか印象に残ったことを書きますね。
「生き方には2つあるんですよ。まず、希望(hope)ですね。もう1つは欲望(desire)です。欲望は外を飾ることですから、havingになり外的自己といいます。では希望とは……これは内なる我という意味でbeingです。つまり内的自己を表しているんです」
なかなか含蓄ある話です。
では、内的自己を高めるにはどうしたらよいのか……
「それは自分で耕すしかないんですよね」
話は臨済宗のある老師の話題になり、「心を耕す」とはどういう意味かを話されました。耕し方というものがあり、心という狭い田んぼを深く耕すことが大事だと……。
「耕すという漢字を分解すると、左側は鋤(くわ)を意味し、右側の「井」は枠組み、囲みということです。実は耕すの英訳にCultureがあります。文化・教養です。つまり耕すことは、教養を身につけることなのです」
それからソクラテスの話題になり、ソクラテスがいう「よく生きる」方法には4つあると……
- (1)「生き方」を変える
- (2)「出会い」から学ぶ
- (3)「老い」を創める(はじめる)
- (4) 自分の運命を「デザイン」する
このなかで、「年老いても、新しいことを始めれば、それは老いていることにならない」というある賢者の話をされたのが印象的でした。
「だから私は実践をしています」ということで、90歳を過ぎてから、水彩画を始め、書道を始め、俳句を詠み始め、そして102歳で童話作家デビューを果たしたと……
何ともはや、バイタリティあふれるばかりの生き方に、感銘するやら自信喪失になりそうやら……
まさに名古屋のぎんさんシスターズに並ぶ、世界に誇れる「お元気超高齢者」の日野原先生でした!(^^)!
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