高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
「月刊ケアマネジャー」連載裏話:考えるヒントの本音~違和感~
これは、毎年お邪魔している岩手県遠野市ですが、市内を案内してもらっていると、小ぶりの茅葺屋根を発見しました。「ちょ、ちょっと停まってもらえますか?」と社協のT田さんに叫びました。降りてみると、まあ、見事です。「これ、なんですか?」と尋ねると、「ああ、これ、ゴミステーションですよ。市で補助してるんですよ」との返答。「ええ~!」すごい立派なゴミステーションに驚きました。「ただし条件があるんです。あくまで補助するのは材料費だけ。地元の住民が現役を引退した茅葺職人さんの指示の下にいっしょに作るということ、それが条件なんです」なんと、ゴミステーションづくりに、高齢となった職人の生きがいづくりと地域のコミュニティづくりが「かけ算」で活かされているのですからね…!(^^)!。
まさに、これが違和感です。そのまま通り過ぎれば、ただの景色。でも、違和感を抱き、疑問にコンバージョン(変換)して、言葉に発することでアンサー(正解、回答)が得られることになります。
違和感があるから「考える」…。
つまり、何も感じなかったら「鵜呑み」にするだけということです。 無感覚、無感情は、実は鈍感だということです。
私たち日本人は、「同調圧力」がかかりやすい文化性を持っています。「わかる、わかる」ということで一体化した気分になり、安心できるのです。ですから、「わからない」というフレーズがとてもストレスだったりします。言う方もそうですが、そういう人がいることで、集団の空気はバランスの悪いものになります。「空気読めよ」は、その最たるものでしょう。
違和感を抱くこと…それは「王様は裸だ」と叫んだ子どもの素直さを持ち続けることなのです。
ちなみに、この写真はいかがですか? なんと長野県飯田市の研修会の一枚です。2年前ですが、その時の会場は「畳敷き」だったのです。驚きましたが、これもわりといいもんだなと今でも忘れられません。
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