高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
それって本音ですか?~意図を汲み取る~
会議の進行役を担うだけでなく、一人の参加者として出席しているときも私の脳内はけっこう動きまくっています。なにに動いているか・・・発言の一つ一つに「突っ込み」を入れているんです。
「それって本音(本気)で言っているんですか?」
とね・・・(^^;)
たいていの会議で本音を話す人はまずいませんね。本音に近いことを話す人はいても、どこまでも「本音ズバリ」の発言をする人はまずいません。
しかしたまにそういう人はいたりするもので・・・
ただ感情的に話す人が本音で話しているかというとそうでもありません。感情的に話すことでみんなを引き付けようとする人がいるからです。それと話しているうちに感情的に「盛り上がっちゃう人」もいます。
ただ仕事上の会議で本音で話すと、周囲からは「ちょっと大人げない人」と思われたり「幾分空気が読めない人」と判断されかねません。
みんなは思いは一緒でも言わないように辛抱している、タイミングを計っているのに、私が言わなくては、と発言しちゃう人・・・周囲は「いま、それを言っちゃあおしまいよ」ということもありますしね。
「ケアマネジャーの会議力」のなかでも書いたことを紹介しますね。
多くの人は、とくに仕事上で参加する人は「肩書き」を背負っていることを十二分にわかっておくことですね。
つまり「立場」がその人にその意見を言わせている、ということってかなりあるんですね。本音では自分はそうは思わない、思いたくない、正直、反対の立場だ、という人はいます。
確実にいます。
ですから、私が進行役だと、ひと通り聞いて次のように突っ込みます(^^;)。
「〇〇さんも今の立場があるので、お話しされることも十分理解できます。では、個人としてどう思われているか、可能ならお話しいただけませんか?」
そうすると、さっきまで「言いにくそうだった表情」が見事に生き生きしはじめる人がいます。「聞いてくださいよ、私だってね・・・」と本音を切り出すとこっちのものです。
しかしこのフリは逆の場合もあります。
「個人としての意見はいろいろと差支えがありますので、この場では控えさせていただきます」
こう話したら、先ほどの肩書で話した内容には正直反対なんだが、それさえも言えない立場をわかってくださいよ、ということを「暗に発信」していたりします。
つまり、それが本音なんですよね。
本音を言葉で聴き取ろうとするのは、ある意味、酷ですね。
むしろ感じ取ると言いますか・・・(^^;)
それとこの本にも書きましたが「性差」はありますね。
つまり男女で発言の傾向や組み立て方がちがうということです。
これは「男女を差別」している考え方ではなく、性差によって確かに男女それぞれに傾向があり、そのことを理解しておくことで会議の進行もやりとりも効率的に行えるということです。
- ・男性:理屈っぽい、説明が足りない、皮肉っぽく話す、主観や自分の意見を言いたがらない、評論家的である など
- ・女性:主観的に話す、思いが先行しやすい、主語がない、感覚的な表現が多い、不意に話し始める、横道にそれやすい など
こんな書き方だって「それは決めつけです!」と言われそうです。ところが、私がいろんな会議で感じてきたことを整理して言っているわけで、自分のなかに根拠(エビデンス)はちゃんとあるんですから、それを否定するのも、ずいぶんと「決めつけ」だなと・・・(^^;)
次は「困ったさん」をどうやりこめるか(^^;)を書きましょうかね・・・気分が変わるとちょっと違うテーマも書こうかなぁ、なったりして。まずはお楽しみということで・・・<(_ _)>
そうそう「個人と立場」を分ける、これって大切です(^.^)
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