高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
CADL的ケアマネジメント手法
新年度が始まり、ようやく落ち着いてきましたでしょうか?
来月の5月25日に、私が主宰するCADL研究会の第2回目の発表会を行います。今回は、私の講義「CADLとモチベーション」(予定)とCADL研究会風の事例検討会の様子を、ライブで皆さんに見ていただこうという内容です。
CADL研究会で検討するケースでは、「ごく普通のケース」といわれるものを取り上げます。よく事例検討会というと、支援困難ケース、問題ケース、医療重度(例:ALS、がん末期、胃ろう)と精神疾患(統合失調症、うつ病)などがテーマだったりしますが、私たちは、このような深刻なケースではなく、ごくごく「普通のケース」を検討します。あるメンバーなどは「それって塩漬けケースということですよね?」と、妙な例えをしますが…(^_^;)。
私が常々不思議に思っていることの1つに、「支援困難ケースで超困っているこのケアマネさんは、普通のケースではちゃんと仕事ができているんだろうか?」ということです。
特に問題がない…通称「特変なしケース」ですね、これって案外、モニタリングも20分程度でそつなくこなしてしまっているんじゃないでしょうか。
何より、「問題がない」という言い方にも違和感を抱きます。ケアマネジメント上はサービスが回っていて、“担当者にとって”は問題がなくても、本人(家族)にとって「日々が問題だらけ、不安だらけ、困ったことだらけ」ということはあるのではないでしょうか。
そしてそれを、担当ケアマネさんに遠慮をして言わないだけなのではないでしょうか…。
やがて、本人(家族)の無理がたたって大変なことに。その時、ケアマネさんは言います。「どうして、もっと早く言ってくれなかったのかなぁ」というセリフを…。
研究会で普通のケースを取り上げる理由には、研究会メンバーがつぶやいた、こんな一言がありました。
「うまく、そこそこ回っているんですけど何か違う。これではないと漠然と感じる。何か腑に落ちない、もっと何かできることがあるんじゃないか。その人らしさを出したいんですが、なかなかヒントがない。あと一歩が見えない。そういうケースをどのケアマネも数ケースくらいは持っているんではないでしょうか」。
このようになってしまうのは、新人であるために経験値がないという人もいるでしょうが、CADL的視点でいうところの「文化性」(個性、本人らしさ)をキャッチする力がないのではないでしょうか。
そして、それを汲み取れるようになるためには、世間的(世情的)な「知識、経験、教養」や雑学がないとなかなか難しいということです。介護・福祉・看護やケアマネジメントの知識や技術だけで、「本人らしさ」に近づくことはまず無理なのではないでしょうか。
(特にケアマネジャーの8割は女性であり、男性独特のこだわりや趣味の世界などの理解は難しいと思います。例えばゴルフをやったことのない人にゴルフの魅力がわからないように…。でもそれが本人らしさに近づくキーワードなら、わからないでは済まないのでは?ということです)
普通のケース、それも要介護1~3(もちろん要介護4、5もあり)で、本人を動機づけるキーワードやコトが見つかれば、本人が積極的に行っていくことを始める(自助)、そしてそれを周囲とケアチームが支えていく(互助・共助)。それを目指しているのがCADL的ケアマネジメント手法なのです。
まさに第2回目では、それを事例検討会を通して、参加者の皆さんに体感をしてもらおうという狙いです。
まだ残席あります!(^^)! お申し込みは…以下へ!
- 【第2回】「CADL視点で行う事例検討会」(残席15名)
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好評だった事例検討会の第2弾。今回は、講義「CADLと動機づけ」(高室)と研究会で行ってきた事例検討会をライブで行います。利用者の個別性やその人らしさ(本人らしさ)・強さ・願い・望みをどう引き出すか、について体験することができます。
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研修会場・写メ日記
「支援困難ケースのアプローチと多職種連携の勘所」