高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
高齢者の年齢
年明け早々にメディアを賑わせたのが「65歳は高齢者にあらず」というニュース。日本老年学会と日本老年医学会が「これまで65歳以上で高齢者」を定義されていたのに、これからは「75歳以上とするのが妥当」と提言したのです。
なにしろ以下の数値で10~20年前と比べて「10歳」程度は若返っているというのですから・・・
- ・死亡率
- ・受診率
- ・体力
- ・認知能力
- ・生活機能
たしかに・・・先の横浜市介護相談員の研修会でも「お元気な75歳以上」の方々がおおぜいいらっしゃいました。
先のブログにも書きましたが、世界でも日本に長寿いや「長命」の方が多いのは、日本の医療と介護と栄養のそれぞれのレベルが高く、その「勝利?」と私は考えます。
これは「一億総活躍社会」の流れと相まっていると分析し、やがて年金受給年齢を「65歳→70歳→75歳」に変更しようとする厚生労働省と政府の策略と深読みする人もいるでしょう。
その読みには一理はあります。
ただやはりいえるのは「65歳を超えても現役世代と変わらずに活動的な人」が多いことも事実。
家にいてもやることがないし、もっと社会で役に立ちたいと切望する高齢者の方々はいます。
介護相談員に65歳以上が多いのはその証といえます。
要介護認定では65歳~74歳ではわずか1割程度であり、歩行速度や握力の平均点数はアップしているようです。とくに知的機能は、60代が50代、70代は10年前の60代に匹敵するとか・・・。
ライザップなどのジムやフィットネスクラブが流行し、脳トレやクイズ番組が増え、健康食品をバンバンに摂取する人が増えれば、やがて65歳くらいの人に「ええええ~~~本当に80歳ですか?」、70歳くらいかなという人に「ほ、ほ、本当に85歳ですか?」と恐る恐る尋ねるというシーンが増えるのではないでしょうか?
ちなみに介護相談員研修で昨年もお会いした現役ケアマネジャーのお二人・・・なんと80歳を超えております。(^^;)
「先生、まだまだがんばれます!」
そのお言葉に返す言葉は「す、す、素晴らしい!」でした。
ということで、65歳~74歳は「准高齢者(期)」と位置づけなおしましょうという提案が両学会からされました。
私はかねてより次のように発信してきました。
「高齢者はおなじ高齢者で支えよう」
「時間長者なのは高齢者!」
「高齢者は現金の寄付でなく、1週間に3時間程度の時間寄付をしよう」
などなど・・・介護の部分は20代~40代に託し、ありあまる「暇な時間」に話し相手やレクレーションの担い手になる。これなら特別な専門的技術は必要とされません。なにより長い人生でつちかってきた「経験や体験、知識や教養」がすばらしい資源です。
これを活用しない手はないと私は考えます。
「担い手」ほどはできないけど「支え手」ならできるのではないか
※区分はあいまいですが・・・(^^;)
これからしばらく続く「何歳から高齢者とするか」談義に注目していきたいと思います。
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