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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

生活困窮支援~わかることより具体的支援を~

 先日は大分県社会福祉協議会から依頼されて「生活困窮支援」の研修会の講師を行いました。
 参加された方々は県下のコミュニティソーシャルワーカー(CSW)のみなさんです。大分県では県下の社会福祉法人に生活困窮支援の基金設立の声をかけ、「おおいた“くらしサポート”事業」を立ち上げました。

 ほぼ100の社会福祉法人から基金が集まり、その30数法人に相談員が配置されました。その方たちを対象とした研修会です。


 今年度から義務化となった社会福祉法人の「社会貢献事業」の一環として取り組まれています。ですから、国や県の予算があるわけではなく、社会福祉法人の社会貢献事業として職員を配置(多くは、相談員やケアマネジャー、事務員の兼務)し取り組んでいます。活動資金はすべて自前です。まさに内部留保?の活用事業ともいえます。


 今回、研修を依頼され、昨年の9月に厚労省から出された「新福祉ビジョン」を再読しました。そこには「地域共生社会」の実現とそのための「地域まるごと支援」の重要性と具体的な提案が示されているので、その内容も冒頭、お話をしました。

 テーマは生活困窮の事例検討の仕方やネットワークの作り方でしたが、まずは生活困窮とはなぜ起こるのか、幼児・児童から母子、成年、中高年、高齢者などで起こっている深刻な実態について、「生活困窮15の領域」をパワポでお話しました。
 参考テキストとして「相談支援員必携!事例でみる生活困窮者」(中央法規出版)をご紹介しました。
 それからグループワークで話し合ってもらいました。


「先生の話される例って、本当にあるあるです」
「とてもむずかしいケースが多くて、心がつぶれそうになります」
「福祉貸付資金の10万円を渡してもすぐになくなっちゃうですよね。どこまで援助すればいいのか、わからなくなります」

 グループディスカッションで話される内容はとても深刻です。

 生活困窮になった当事者の心情をいかに理解するか
 支援することとは傾聴することだけではないこと
 次の一手をともに考え、本人が自己決定できるようにすること
 そしてアクション(行動)に移すこと・・・


 つぎに生活困窮支援のための「13のアセスメント領域」を示し、これらが複合的に当事者にとっての「壁」になっていることを具体的に学びました。

 そして全体像を把握する手法として「氷山モデル」「ジェノグラム」「人生曲線」「エコマップ」「地域支え合いマップ」などを説明しました。

 下記が氷山モデルの考え方です。
  • (1)表面化している出来事・困り事
  • (2)‐a本人がおかれてきた生活環境、今にいたるまでのプロセスで起こったこと、生育歴でのトラブルなど
  • (3)‐b当事者と身内や周囲が持つ価値観や思い込み、信条


 準備してもらった事例をもとに、これらの手法を使って全体像把握のワークをしました。
 ジェノグラム、氷山モデルにはじまり人生曲線や価値観テストなどなど。
 人生曲線と価値観テストは参加者ご自身のことをやってもらいました。自分のなかに眠っている、ふだんは気づかない価値観を自覚するワークはとても盛り上がりました(^^;)。


 ただ時間がなくて、事例検討会の進め方まではたどりつけませんでした。「また来年度、やりましょう。みなさんのがんばり、応援しています!!!」とエールを送って終わりました。



 今週のメールマガジン「元気いっぱい」第471号(無料)ムロさんの予後予測:「人は叩かれて伸びるのだろうか」(第1・3木曜日に配信)です。新しいコーナー「ケアマネ駆け込み寺」「ムロさんの本棚」がスタートしました!(^^)!⇒ http://caretown.com/genki/
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    |詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2901.shtml
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    |日 時|2月19日(日)10:30~17:00
    |詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2902.shtml
 全国研修の様子は、ケアタウン総合研究所の公式FBをご覧ください。