高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
学び:年に一度のケアマネ学会
年に一度のケアマネジメント学会参加のために北九州市に土日行ってきました。5年前にも開催されました。その年は東日本大震災の後でした。世の中は自粛ムードが漂い、開催自体が危ぶまれました。
さて・・・思い出せば第1回学会は大正大学のキャンパスでした。懇親会も大学の学食でした。
「私は介護支援専門員ではないのですが入会できますか?」
ケアタウン総合研究所の名刺を持っていたからでしょう、学識経験者枠なら可能と言われ、入会した日をいまでも覚えています。
ただ、案内が届いて自分の会員番号が「0008」だったので驚きました。第1回とはいえ数百人は参加されていたので、あまり上位?の番号は・・・と少々うろたえてしまいました。
でも、今となってはなにごとも若い番号っていいですね。
覚えやすい・・・(^^;)
いまもこの番号を大切に使っています。
学会の流れは大きく次のようになっています。
1日目:記念講演と記念シンポジウム、夜は懇親会
2日目:午前は一般口演(研究発表)、午後は分科会およびシンポジウム
印象に残った1日目「地域同行型研修」の講演シーンを採録しましょう。
白木さんが50分にわたって報告した「地域同行型研修」。
これは5年前にさかのぼります。介護保険がスタートして10年経過してもケアマネジャーの育成はもっぱら座学の研修か事例検討会しかありませんでした。
そこで認定ケアマネジャーの会では、座学でなく現場型の研修手法とし「OJT手法」を取り入れた研修手法を4年前に開発されたのです。OJT方式とは簡単に言うとベテランが新人に見本を見せ、それを新人が模倣して実力をつけていくというもの。トヨタ自動車では徹底的に取り入れられています。
地域同行型研修では、ベテランケアマネが自分の実践を(例:インテーク、アセスメント、サービス担当者会議など)をまず見せ、次に新人ケアマネの現状をアセスメント表で整理し、新人ケアマネの実践にベテランケアマネ(呼称:アドバイザー)が同行し、終了後、一緒に振り返りを行い実践力を高める、というものです。
私も興味深い研修スタイルだなと関心を持っていました。
白木さんのプレゼンのあと、野村豊子日本福祉大学教授の指摘はなかなか的を得た興味深い指摘でした。私のメモからそのポイントを紹介します。
「地域同行型研修を行う人をアドバイザーというが、果たしてその表現が適切でしょうか。スーパービジョンのなかにアドバイスという要素はあるが、それだけではありません。気づきを与えるというが、アドバイザーがアセスメント確認票を持って同行するというのもピンとこない。本人に気づかせるための質問をするというのは、どこか〝いやらしい″印象があります」
そして野村教授は、某県のスーパービジョン研修で受講者が述べたひと言を紹介しました。
「ある受講された方がこう述べています。スーパービジョンとは、バイザーが意図的に問題に気づき、みずから問題解決をしていくプロセスである。バイジーはバイザーの支持を受けながら問題解決に向かっていくことができる、と。いかがでしょうか」
野村先生も「スーパービジョンでいえばライブスーパービジョンにあたるかもしれませんね」と理解を示していましたが、私は地域型同行研修をスーパービジョンとして位置付けず、あくまで当初の「OJT型研修」という表現で通したほうがよいのでは、と感じました。
そうすれば指導する側を「アドバイザー」と呼称するのもなんら違和感なく受け入れることができるな、と思いました。
翌日の午前中は一般口演の分科会のなかでいくつかの興味ある発表をハシゴしました。
今年は昨年に比べ発表の数は少なめなで、研究発表というより「実践報告」風が多かったのが気になりました。
前回のブログで触れた舛添(前)知事の「口先三寸」コラムですが、なんと辞職ということになりました。ホッとしたのですが、その後始末があまりにひどい。すべての公務をキャンセルするという暴挙に・・・この参議院選挙から18歳投票が始まるというタイミングで、もっとも印象悪い事例になってしまったなと。「政治家として・・・」と信念を語っておきながら、政治家としの矜持さえなくした・・・そして退職金と給与はしっかりもらうという。
巨悪というより小悪のタチの悪さ、往生際の醜さを晒したな・・・と。
いまひとつ盛り上がれない都知事選・・・禍根はかなり深いです。
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|詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2807.shtml
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