高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
真実と事実は違う
3月のメディアはショーン?氏の学歴・略歴・実績の詐称疑惑でほぼ2週間盛り上がりました。センテンス・スプリング誌が第一・第二の矢を放つとこぞってTVが取り上げ、さらにネットで拡散しました。(テレビは放送して終わりですが、ネットはいつまでも検索できるという・・・)
今回は私が「苦情対応」で講義をしていることをお話ししたいと思います。それは「真実と事実」はちがうということ。
苦情に対応するとき、訴える人は「真実」として話します。
「私の母は間違っていない。悪いのはサービス事業所の○○だ」
みなさんも利用者(家族)からの切実な話を聞く機会は多いと思います。しかし、そこで注意を払わなくてはいけないことは、「真実」として話されることは「事実とは限らない」ということです。
「真実とは本人の解釈がまぎれこんでいることが多い」
と、研修会では話します。
事実は1つです。
しかし立場が違えば受け止め方は異なります。
簡単な例をあげましょう。
室温が26度をあなたはどう感じますか?
事実は1つですよね。でも寒がりの人にとっては「この部屋は寒い」というのが真実です。いっぽう暑がりの人には「この部屋は暑い」となります。
研修会では「たき火」を例に受け止め方の違いを話します。
要するにこれってごみ屋敷騒動と通じるものがあります。本人にとっては「財産、資源、材料、思い出の品」が真実。しかし近所近隣にとっては「ゴミ、腐敗物、異臭物」という真実。
事実は「未処理の食材、腐敗が進む生もの」が数年間山積みになって道路にはみ出していることです。
ですから、ごみ屋敷の住人と「ゴミ論争」をしてもいつまでたっても平行線です。むしろ、なぜそうしているか、の理由・原因を明らかにし、迷惑している事実を相手に理解させ、どのような「行動をとってもらいたいか」を具体的に示すことです。
そしてどのような援助があれば、それが可能となるか、じっくり時間をかけて話し合い、本人が納得しないと、一方的に撤去することは「一種の暴力」でしかなく、再度、同じことの繰り返しとなります。
ということで・・・
今回のショーン?氏の例ですが、彼は「ホラッチョ○○」ではなく、どうやら自己愛性がきわめて高い人なのかもしれません。こうだったらよかったのに、と妄想しているうちに「そうだ、ボクにはもう一人の異国の父がいたのだ」という都合のいい事実を作り上げ、やがて見た目も整形で変え、名前にカタカナを長々と盛り込むことで、見事にハーフな「ショーン?」をつくりあげたわけです。
なんと、それが10年間もバレなかった。
常人なら「いつかバレるぞ」とビクビクし、とてもメディアに出るほどの根性はありませんが、そこは強烈な自己愛の強みなのでしょう。見事に周囲は「真実と思わされていた」というわけです。
とりわけ学歴と略歴がすごすぎて、その人から褒められるとイチコロになってしまったのかもしれません。
しかし事実が異なっていたことが公になったとき、真実なんてものはもろくも崩れていきます・・・
30年程前のこと。「一杯のかけそば」といううるわしい話が日本全国を感動に巻き込みました。
大晦日の夜、そば屋を訪れた貧しい三人の母子が、一杯のかけそばを分けあって食べるというこの話。これ、実話に基づいたとされるのですが、作者の栗良平の創作だったということが分かり、加えてその本人が詐欺罪で逮捕され、さらに大酒飲みであちこちで人を騙していたことなどが次第に判明し・・・。
作務衣姿でテレビに登場し映画まで作られ・・・あのときも唖然としたことを思い出しました。
しかし、この手の詐称話はどこか笑えますね・・・(^^;)
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- シリーズ(11)「地域包括ケアにおける実践的施設ケアマネジメント~特養・老健・療養型・有料老人ホーム(住宅型含む)・サ高住~」(定員20名)
|日 時|5月22日(日)10:30~17:00
|詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2805.shtml
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研修会場・写メ日記
「地域ケア会議でめざす地域包括ケアシステム」
「地域包括ケアシステムと介護サービスの役割」
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