高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
連載こぼれ話:入院退院カンファレンス
月刊ケアマネジャー2月号が届きました。表紙を現場のケアマネジャーの方がデカデカと飾るというコンセプトを聞いた時は、じゃっかん心配(失礼!)していましたが、慣れてくると(^^;)、なかなかいいものですね。
表紙を開くと、利用者とのツーショット、事務所での作業風景、そして家族とのプライベート写真などなど。それぞれに表情が違い、写真というメディアで全体像をフォーカスする視点はとてもいいと思います。もちろんカメラマンの方の腕もさすがと思います。
第11回目となる「会議力アップ講座」は「入院退院カンファレンス」がテーマです。病院への「入院時退院時連携加算」が位置づけられことにより、ケアマネジャーがたびたび参加することになった会議です。
サービス担当者会議はケアマネジャーが「仕切る」ことができますが、病院でのカンファレンスや地域ケア会議は、いわば「アウェイ」。ここでは、進行するスキルでなく「参加するスキル」が求められます。それもただ「顔出し」をしていればいいものではありません。
新人であっても利用者(家族)の代弁者として、そして居宅介護支援事業所の代表者として参加するという「責任」があります。
病院という環境はただでさえ、どこか落ち着かないものです。それに仕事とはいえ白衣(今はグリーン、ピンクもあり)の専門職が10人前後並んでいるだけで、実に壮観です。
まるで医療ドラマのワンシーンのよう。そこに白衣でない普段着に近い格好でいるのは実に居心地の悪いものかもしれません。
医療チームのカンファレンスは実に効率的に行われます。専門用語が飛び交うのは当たり前。「知っていて当然、わからないのは、アンタの勉強不足」というムードに包まれれば、基礎資格が看護師なら「おなつかしい気分」になれても、介護・福祉系のケアマネジャーならば気持ちは萎縮するばかりかもしれません。
しかし、在宅での暮らしの様子、サービス事業所と提供の内容、利用者(家族)の不安や心配、今後の意向などの「生活に沿った情報」を持っているのはケアマネジャーです。
入院時は「情報提供」をする場です。
そして退院時は「情報収集」をする場。自分が知りたい情報という視点でなく、サービス事業所などのケアチームがサービスを提供する際に必要となる医療情報や配慮する点を「聞き出す、確認する場」なのです。
そのためにあらかじめ収集してほしい情報を事業所からヒヤリングしておくとよいでしょう。
- (1)全員を見回し大きな声で話す
- (2)主観(思い)、客観(事実)を伝える
- (3)話のポイントを整理して伝える
- (4)「理由・目的」を述べてから質問する
などを説明しました。
この連載もあと1回。第12回目は「引き継ぎ会議」です。
みなさん、お楽しみに!(^^)!
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- シリーズ(9)「ケアマネ事業所の人材育成とメンタルマネジメント~採用・配置・育成・メンタルマネジメント~」(定員20名)
|日 時|2月28日(日)10:30~17:00
|詳 細|WEBにて→http://caretown.com/tokyo/caremanage2802.shtml
- シリーズ(9)「ケアマネ事業所の人材育成とメンタルマネジメント~採用・配置・育成・メンタルマネジメント~」(定員20名)
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「地域包括ケアシステムで求められる福祉人材~採用、育成~」