高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
「連携」の勘所
5年間かかわってきた「みえ福祉連携プロジェクト」が、昨日の合同会議で終了を迎えました。小規模事業所同士が連携をして、人材採用・人材育成・職員間交流を行おうという国の助成事業です。
大規模社会福祉法人で行えるこれらのことが、小規模事業所、つまり小規模多機能やグループホームではなかなか難しい。県の研修会があっても、まず職員1人を参加させる勤務シフトが組めない。それに小規模事業所どうしは、ある意味、ライバルなんですね。もちろん利用者の獲得をめぐって…
5年前、暗中模索のなかで、お手伝いを始めました。
小規模事業所が5~8事業所が集まり、1つのユニットをつくります。初年度が5ユニットでしたが、年々少しずつ増え、今回の5年目は10ユニットが活動を行いました。
主に高齢者向けの事業所が多いのですが、今回は障害者の事業所がまとまったユニットが3つ誕生しました。おかげで、バラエティに富んだ事業が行えました。
「連携」をするとき、どのようなことがポイントになるのか。ミニシンポジウムで皆さんに質問をしました。すると、連携サポーターの皆さんから次のような回答がありました。
- 悩みを共有化できること
- 共通のテーマを見つけること
- 学ぶことを中心にすると共通認識が持ちやすい
そうはいっても、リアルに連携をすすめる上では、かなり面倒なこともあります。「その勘所とは?」と私が質問すると、なるほどという次のような回答が挙がりました。
- 会議を行う場所を、参加事業所の持ち回りにする
→持ち回りにすることで、他の事業所の仕事ぶりや実践をリアルに知ることができる - トップ(責任者)の合意があると動きやすい
→仕事中に会議をすることも可能になる。職場の理解を得られやすい - 連携を進める上で「共通のルール」を決める
→事業所それぞれの事情に配慮した「さじ加減」が必要となる
「連携」には、ユニットをまとめる「内側の連携づくり」と、事業を行う際に他の専門機関や行政と連携をとる「外側の連携づくり」があります。外側の連携づくりで重要なのは、「人脈」と「根回し」と「寝技?」とのこと。
さまざまな連携のノウハウが明らかになった合同会議でした。
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