高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?
全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。
- プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)
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ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。
モチベーションアップはどうやるの?
昨年に引き続き東京都世田谷区の社協の福祉介護人材研修センターから研修の依頼があり、一昨日、成城学園前駅に行ってきました。
テーマは昨年とおなじ「モチベーションアップ」です。
約30名のみなさんは「職場のリーダー層」の方がほとんど。施設長やグループホームの管理者の方も多くみえました。
このテーマは昨年から求められることが増えています。自分だけでなく現場のみなさんのモチベーションをどのようにアップさせればよいか、ずいぶんと悩まれているようです。
私は冒頭に、次のような質問をします。
- (1)あなたにとって何がストレスになりますか?
(職場の人間関係、子どもの進学、生活不安) - (2)ストレスになると、どのようになりますか?
(体調、表情、動作などなど。例:おやつを猛烈に食べる) - (3)では、なぜそれがストレスになるのですか?
(会話ができない、話し方がわからない、高校に進学できないと困るなど)
たいていはここで質問はおわりがちですが・・・
- (4)では、みなさんはどうあればいいのですか?
(親しく会話ができる時間が確保できる、テストで70点取れる、言わなくても自分で机に向かえる、などなど)
モチベーションアップで大切なのは「どうあればよいか」が見えているかどうか、なのです。
つまり「どうしたいのか?」が曖昧だと、そのストレスはきえることはありません。つまり解決に乗り出そうとは思わないのです。
「ストレスを感じている人、いつも悩んでいる人のなかに、悩んでいる自分が好き、悩んでいることで楽をしている人がいます。なぜなら、何もアクションを起こさなくてよいからです」
と話すと、みなさんのなかにハッとした空気が流れます。
さて、つぎに、モチベーションと適合のことを話します。
「モチベーションアップは実はとても簡単ともいえます。まずは、環境です。どうでしょう、もしこの部屋の暖房がきかなくて寒かったら?それとも暑すぎたら?そうですよね、モチベーションは下がりますよね。つまり、そういう簡単なことなのです。あなたが面倒な入力作業をする時にそばにスヌーピーのぬいぐるみがあったらどうでしょう?気持ちが落ち着きませんか?」
いくつかの例をあげて、「どのような環境ならワクワクするのか」を話し合ってもらいます。
モチベーションはいまとても流行の言葉です。
かつて、オリンピック選手は「イメージ通りできました」とインタビューに答えたものです。いまは「なんとかモチベーションを維持することができました」と話します。
いくら特別な技術が備わっていても、心が折れていては、ストレス過多では、真の実力を発揮することはできないからです。
相談援助職などは、まさに「感情」をフルに使う感情労働者です。ストレスへのケアだけでなく、いかにモチベーションをアップさせられるかどうか、はプロフェッショナルであるための大切な技術だということなのです。
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